和文英訳(難関大) の誤りを直す
含みを読む — 言外の意味を英語にする
難関大の和文英訳では、日本語の単語を英語に置き換えるだけでは点にならない文が必ず1つ混じっています。日本語は「言わずに伝える」言語なので、まず日本語の含み(本当に言いたいこと)を取り出し、それを英語で明示する作業が必要です。
基本ルール
含みを取り出す3ステップ:
① 日本語をいったん自分の言葉で言い換える(日本語→わかりやすい日本語)
② そこに含まれる感情・評価・論理関係を特定する
③ 英語ではその含みを語彙・構文で明示する
含みを持つ典型語:
- 「一応」=完全ではないが最低限(half-heartedly / at least in form)
- 「せっかく」=苦労・期待をかけたのに(+逆接のニュアンス)
- 「かえって」=期待と逆の結果(ironically / if anything)
- 「あえて」=わかっていてリスクを取る(deliberately / even though it was risky)
- 「いっそ」=中途半端よりましだという開き直り(might as well)
日本語:彼も一応は謝ったが、心からの謝罪には見えなかった。
直訳(不十分):He apologized, but it didn't look like a heartfelt apology.
含みを反映:He did offer something like an apology, but it hardly seemed sincere.(「一応」の消極性を did offer something like で表現)
日本語:せっかく作ったのに、誰も食べてくれなかった。
含みを反映:I went to the trouble of making it, but no one touched it.(「せっかく」=苦労をかけたのに、を go to the trouble of で明示)
注意点
① 含みを訳し落とすと採点者には「読めていない」と判断される。逆接・譲歩のニュアンス語(一応・せっかく・かえって)は必ず英語の構文(but / even though / if anything)で処理する。
② 含みを訳しすぎて意訳過剰になるのも危険。あくまで原文の論理関係を明示するだけで、新しい情報を加えない。
③ 「〜も」の含み:「彼も来た」の「も」は「他の人に加えて」の意味。Others came, and so did he. のように and so did で対応できる。
④ 感情の強弱を語彙で調整:「かなり悲しかった」と「少し悲しかった」を同じ sad にしない。quite / a little / somewhat などの度合い副詞で区別する。
- 訳す前に日本語を「言い換え」て含みを特定する
- 一応 → did offer something like / at least in form
- せっかく → go to the trouble of / after all the effort
- かえって → if anything / ironically
- 含みは構文で明示。訳し落とすと減点対象
練習
- 「かえって彼を怒らせてしまった」を英訳しなさい(if anything を使う)。
- 「あえて危険な道を選んだ」を英訳しなさい(deliberately を使う)。
- 「いっそ全部やり直したほうがいい」を英訳しなさい(might as well を使う)。
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