理科
透析患者は34万人超、医療費は年1兆円——『腎臓』を守る最新研究
関連ワード:腎臓のはたらき 恒常性(ホメオスタシス) 排出のしくみ 生活習慣病
要点(監修AIの解説)
日本の人工透析患者は約34.7万人(2022年末)、医療費は年間1兆円超。原因1位は糖尿病性腎症。血液をろ過する腎臓の働きと、その『抗老化』をめぐる研究を解説。
解説
腎臓は、背中側に左右一対ある、にぎりこぶしほどの臓器だ。心臓から送られてくる血液をろ過し、体に不要な老廃物や余分な水分・塩分を尿として捨てる一方、体に必要な成分は血液に戻している。この『ろ過』と『再吸収』のはたらきで、体内の水分量や塩分濃度を一定に保つ——生物で学ぶ『恒常性(ホメオスタシス)』の代表例だ。
この腎臓の働きが慢性的に低下すると、老廃物を自力で捨てられなくなり、機械で血液を人工的にろ過する『人工透析』が必要になる。日本透析医学会によると、2022年末時点で透析を受けている患者は約34万7,000人にのぼり、医療費は年間1兆円を超える。原因の第1位は糖尿病性腎症(約39.5%)で、生活習慣病と深く関わっている。
腎臓は一度大きく傷むと元に戻りにくい臓器のため、近年は『腎臓をいかに老化させないか(抗老化)』という視点の研究や、食事習慣による予防が注目されている。塩分のとりすぎを避けることが腎臓を守る基本とされるのは、余分な塩分を処理する腎臓に負担がかかるからだ。自分の体のろ過装置を長持ちさせる、という意識が予防の出発点になる。
出典:gendai.media