社会
原油の輸入量は5.5%増、輸入額は87.8%増。7月の貿易統計
要点(監修AIの解説)
財務省が2026年8月20日に発表した7月分の貿易統計。輸出も輸入も2割以上増えたが、輸入の伸びが上回り6345億円の赤字。量と金額のずれが目立つ。
解説
財務省が2026年8月20日に発表した7月分の貿易統計(速報)で、輸出額は11兆5118億円、輸入額は12兆1463億円となった。差し引きは6345億円の赤字。前年の7月は1563億円の赤字だったので、赤字の幅は4倍を超えた。
伸び率で見ると、輸出は前年同月比23.2%増、輸入は27.8%増。どちらも2割以上増えている。輸出が減って赤字になったのではなく、両方増えたうえで輸入の伸びが上回った、という形だ。
この統計でいちばん読み応えがあるのは、「量」と「金額」が別々に載っているところだ。
輸入の最大品目である原油及び粗油は、数量が1210万6千キロリットルで前年同月比5.5%増。ところが金額は1兆4089億円で87.8%増だった。量はほとんど変わっていないのに、支払った金額が9割近く増えている。差の分は、1キロリットルあたりの値段が上がったことになる。原油だけで、輸入全体の伸び27.8%のうち6.9ポイントを占めている。
同じずれは輸出側にもある。自動車の輸出は52万4159台で、台数は0.7%増とほぼ横ばい。それに対して金額は1兆7872億円で19.5%増えた。売った台数が同じでも、1台あたりの単価が上がれば金額は増える。
半導体まわりも大きく動いた。輸入では半導体等電子部品が79.7%増、そのうち集積回路(IC)は数量が12.8%増なのに金額は92.6%増。輸出では半導体等製造装置が40.9%増だった。
相手国別では、対アメリカが輸出2兆909億円(22.0%増)、輸入1兆8105億円(58.0%増)。対中国は輸出2兆90億円(25.8%増)、輸入2兆7844億円(26.2%増)で、7754億円の赤字だった。
数字を扱ううえで、財務省が注記している条件も押さえておきたい。輸出額は船や飛行機に積み込むまでの費用を含むFOB価格、輸入額はそこに運賃と保険料を加えたCIF価格で計上される。輸出入の差し引きは、同じものさしで測った差ではない。また、計上の時点は輸出が船や飛行機の出港日、輸入が輸入許可の日と決められている。
貿易統計を「輸出が増えた/減った」だけで読むと、量が動いたのか値段が動いたのかが分からなくなる。数量と金額を並べて見る癖をつけると、同じ表からもう一段深いことが読める。
出典:財務省「令和8年7月分貿易統計(速報)」2026年8月20日発表
https://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/2026/2026074.pdf