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埴輪と古墳時代の文化

埴輪と古墳時代の文化

古墳の周りに並べられた「埴輪」は、古墳時代の人々の暮らしや文化を伝える貴重な遺物です。埴輪の種類と古墳時代の文化を見ていきましょう。

基本知識

埴輪(はにわ)は、古墳の表面や周囲に並べられた土製の素焼きの像です。3世紀末ごろから作られ始め、種類が増えていきました。
埴輪の種類:
円筒埴輪: 円筒形の最も多い埴輪、古墳の周りを囲む
形象埴輪: 人・動物・家・船・器材などの形をした埴輪
 - 人物埴輪: 武人・巫女・楽人・農夫など
 - 動物埴輪: 馬・犬・鳥・猪
 - 器材埴輪: 家・船・盾・甲冑・椅子
埴輪は土師器(はじき)と同じ低温焼きで作られ、赤褐色をしています。当初は古墳を区切る役割だったものが、次第に死者の生前の生活を再現する役割に発展したと考えられます。

📘 古墳時代の主要文化
埴輪 古墳の表面に並ぶ土製の像(円筒・形象)
土師器 弥生土器の系統、低温焼き・赤褐色
須恵器 朝鮮半島伝来、高温焼き・灰色・轆轤使用
高松塚古墳壁画 7世紀末、極彩色の人物像・四神図
キトラ古墳壁画 7世紀末、四神図・天文図・十二支
石室 古墳内部の埋葬空間(竪穴式・横穴式)
副葬品 銅鏡・玉類・武具・馬具・須恵器など

深掘り (背景・影響)

埴輪の起源について、『日本書紀』には興味深い伝承が記されています。垂仁天皇の時代、皇后の死に際して家臣を生き埋めにする「殉死」の代わりに、土師氏(はじし)の野見宿禰(のみのすくね)が土で人形を作って埋めることを進言し、これが埴輪の始まりだとされます。実際は殉死との関係は不明ですが、いずれにせよ埴輪は死者を弔う意味を持っていました。
古墳の内部構造も時期によって変化しました。
竪穴式石室(前期): 古墳の上から穴を掘って遺体を納める。再開できない
横穴式石室(中期以降): 横から入る通路(羨道)を持ち、追葬可能
横穴式石室の登場により、家族で同じ墓に入る「合葬」が可能になりました。
古墳時代後期(7世紀)には、奈良県明日香村の高松塚古墳キトラ古墳から極彩色の壁画が発見されました。高松塚古墳の女子群像(飛鳥美人)は教科書にもよく登場し、当時の高い絵画技術と中国・朝鮮の影響を示しています。キトラ古墳には四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)が描かれ、東アジアの宇宙観を反映しています。

💡 ポイント
  • 埴輪 = 古墳に並べた土製の像、円筒と形象
  • 形象埴輪: 人物・動物・家・船・器材など多彩
  • 埴輪起源: 殉死の代わり(野見宿禰の伝承)
  • 竪穴式石室(前期)→ 横穴式石室(中期以降)
  • 横穴式石室 = 追葬可能、合葬の出現
  • 高松塚古墳(奈良)= 飛鳥美人の壁画
  • キトラ古墳(奈良)= 四神図・天文図

注意点 (混同しやすい)

① 埴輪(古墳時代)と土偶(縄文時代)を絶対に混同しない。埴輪=多様な形・古墳に並ぶ、土偶=女性像中心・縄文の祭祀。② 土師器と須恵器の違い: 土師器=低温・赤褐色(弥生系)、須恵器=高温・灰色(朝鮮伝来)。③ 竪穴式石室と横穴式石室の違いを覚える。④ 高松塚・キトラ古墳は古墳時代末期〜飛鳥時代の境界、教科書によって「飛鳥時代の文化」として扱う場合あり。⑤ 「飛鳥美人」は通称で、正式には「西壁女子群像」。

練習

  1. 埴輪を円筒埴輪と形象埴輪に分けて説明せよ。
  2. 竪穴式石室と横穴式石室の違いを答えよ。
  3. 高松塚古墳の壁画の特徴を答えよ。
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