日本 / 明治時代 5 / 6

明治の産業革命と文化

明治の産業革命と文化

戦争の勝利を背景に日本は本格的な産業革命を迎え、近代文学や西洋音楽も花開きます。光と影が交錯した明治後期の社会を見ていきます。

基本知識

明治前半は軽工業(製糸・紡績)が発展。1882年大阪紡績会社(渋沢栄一)が成功し、日清戦争後には綿糸の輸出が輸入を上回りました。日露戦争前後は重工業が発展し、1901年に官営八幡製鉄所(福岡県)が操業開始。鉄道網も拡大し、1906年鉄道国有法で主要路線が国有化されます。一方、公害も発生し、足尾銅山鉱毒事件では田中正造が被害農民のために天皇直訴を試みました(1901)。労働運動も始まり、1900年には治安警察法で取締りが強化されました。

📘 明治の文化人
夏目漱石『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『こころ』
森鷗外『舞姫』『高瀬舟』
樋口一葉『たけくらべ』(五千円札の人物)
野口英世 細菌学・黄熱病研究(千円札)
北里柴三郎 破傷風血清療法・ペスト菌発見
滝廉太郎『荒城の月』『花』
黒田清輝『湖畔』『読書』(洋画)

深掘り (背景・影響)

産業革命により都市に労働者が集まり、女工(工女)は低賃金・長時間労働を強いられました。横山源之助『日本之下層社会』はその実態を伝えています。文学では言文一致体(二葉亭四迷『浮雲』)が広まり、ロマン主義(島崎藤村『若菜集』)・自然主義・反自然主義(漱石・鷗外)が展開。学問では北里柴三郎の破傷風、志賀潔の赤痢菌、野口英世の細菌研究が世界水準に達しました。1911年には平塚らいてう青鞜社を結成し、「元始女性は太陽であった」と女性解放を訴えました。

💡 ポイント
  • 軽工業=製糸・紡績、重工業=八幡製鉄所(1901)
  • 足尾銅山鉱毒事件=田中正造(衆議院議員、天皇直訴)
  • 言文一致=二葉亭四迷『浮雲』
  • 夏目漱石・森鷗外・樋口一葉(2024旧紙幣)
  • 北里柴三郎(2024新千円)=破傷風
  • 平塚らいてう=青鞜社(1911)、女性解放運動

注意点 (混同しやすい)

大阪紡績(1882・渋沢栄一・綿糸)と富岡製糸場(1872・官営・生糸)を混同しない。② 八幡製鉄所福岡県(現北九州市)、清からの賠償金で建設、1901年操業開始。③ 田中正造(足尾銅山)と幸徳秋水(大逆事件、1910)は別人物。④ 二葉亭四迷=言文一致/島崎藤村=ロマン主義→自然主義/夏目漱石=余裕派/森鷗外=高踏派、と流派を整理。

練習

  1. 1901年に操業を開始した官営の製鉄所はどこにあったか。
  2. 足尾銅山鉱毒事件に取り組んだ衆議院議員は誰か。
  3. 言文一致体で『浮雲』を著した作家は誰か。
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このレッスンのQ&A

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