高校基礎 / 物質の構成粒子 5 / 6

電気陰性度と元素の性質の周期性

電気陰性度と元素の性質の周期性

原子が共有結合の中で電子を引き寄せる強さを電気陰性度と呼びます。これも周期表上で規則的に変化し、化学結合の性質を決めます。

基本知識

電気陰性度(ポーリングの定義)は、共有結合中の原子が共有電子対を引き寄せる強さの相対値です。代表値:
・F = 4.0(最大)
・O = 3.5
・N = 3.0
・Cl = 3.0
・C = 2.5
・H = 2.1
・Na = 0.9
・K = 0.8(小さい)
傾向は明快で、周期表の右上(希ガス除く)ほど大きく、左下ほど小さい。F が最大、Fr 付近が最小です。
電気陰性度ので結合の種類が変わります:
・差が大きい (約1.7以上) → イオン結合(Na-Cl など)
・差が中程度 → 極性のある共有結合(H-O、H-Cl)
・差がほぼ0 → 無極性の共有結合(H-H、Cl-Cl)
これは次講で扱う化学結合の入口になる重要概念です。

📘 重要用語
電気陰性度(共有結合で電子を引き寄せる強さ。Fが最大の4.0)
極性(電子の偏りで結合や分子に正負の電荷が偏ること)
無極性結合(電気陰性度差ほぼ0。H-H、Cl-Cl)
極性結合(電気陰性度差あり。δ+とδ-の電荷分布)
金属元素・非金属元素(周期表上で線引き。金属は左下、非金属は右上)
両性元素(金属・非金属両方の性質。Al, Zn, Sn, Pb)

深掘り (背景・意義)

電気陰性度はポーリング(20世紀の化学者、二度のノーベル賞受賞)が1932年に提案しました。これにより化学結合がイオン結合〜極性共有結合〜無極性共有結合という連続スペクトルとして統一的に理解できるようになりました。
分子全体の極性は、結合の極性分子の形(対称性)の両方で決まります。たとえばCO2は C=O が極性結合ですが、直線形のため双極子モーメントが打ち消し合い無極性分子。一方H2Oも O-H が極性結合で、折れ線形のため極性分子になります。極性の有無は溶解性(似た者同士は溶け合う)、沸点表面張力などすべてに影響します。
有機化学に進むと、官能基の極性で反応性を予測することが日常になります。電気陰性度は有機反応の出発点でもあるので、ここで基本傾向を掴むことが極めて重要です。

💡 ポイント
  • 電気陰性度=共有電子対を引き寄せる強さ
  • F=4.0で最大、周期表の右上ほど大きい
  • 差で結合の種類が決まる(イオン⇔共有)
  • 差大→イオン結合、中→極性共有、0→無極性共有
  • ポーリングが1932年に提案
  • 分子の極性は結合の極性+形(対称性)
  • CO2は無極性分子、H2Oは極性分子
  • 溶解性「似たものは似たものに溶ける」

注意点 (混同しやすい)

電気陰性度(共有結合中)とイオン化エネルギー(電子を放出)、電子親和力(電子を受け取る)を混同しない。すべて似た傾向だが定義が異なる。② 結合の極性(原子間の電子の偏り)と分子の極性(分子全体での偏り)は別。形が対称なら結合は極性でも分子は無極性。③ 希ガスは共有結合をほぼ作らないので電気陰性度の数値は載っていないことが多い。④ 電気陰性度は絶対値ではなく相対値(ポーリングが F=4.0 を基準に設定)。

練習

  1. 電気陰性度が最大の元素は何か。値も答えなさい。
  2. CO2とH2Oはそれぞれ極性分子・無極性分子のどちらか。理由も簡潔に。
  3. 電気陰性度差が大きい原子同士が結合するとき、どんな結合になりやすいか。
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このレッスンのQ&A

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