高校基礎 / 物質と化学結合 1 / 6

イオン結合とイオン結晶

イオン結合とイオン結晶

陽イオンと陰イオンが静電気的な力(クーロン力)で結びついた結合をイオン結合といいます。塩化ナトリウムなどが典型例です。

基本知識

金属元素は陽イオンに、非金属元素は陰イオンになりやすく、両者が出会うと電子のやり取りを経て静電気的引力で結びつきます。これがイオン結合です。
例: Na + Cl → Na+Cl- (= NaCl)。
イオン結合の物質はイオン結晶と呼ばれ、陽イオンと陰イオンが立体的に交互に並びます。NaCl は面心立方型に近い配列で、1つのNa+のまわりに6つのCl-、その逆も6つ、という構造です。
組成式: イオン結合の物質はNaClのように、陽イオン:陰イオンの最も簡単な整数比で表します。電荷の総和が0になるように比を決めるのが原則です(例: Ca2+とCl-はCaCl2、Al3+とO2-はAl2O3)。

📘 重要用語
イオン結合(陽イオンと陰イオンの静電気的引力による結合)
イオン結晶(イオン結合で構成された結晶。NaClなど)
組成式(陽イオン:陰イオンの最簡整数比。NaCl, CaCl2
クーロン力(電荷間に働く静電気的な力。距離の2乗に反比例)
電解質(水に溶けて電気を通す物質。イオン結合物質に多い)
イオン式(イオンを表す式。Na+、SO42-

深掘り (背景・意義)

イオン結晶の特徴:
融点が高い(NaClで801℃)。クーロン力は強いため。
硬いがもろい。一方向に力をかけるとイオンの並びがずれて反発し割れる(へき開)。
固体は電気を通さない(イオンが動けない)が、水溶液や融解状態では電気を通す(イオンが自由に動ける)→電解質。
水に溶けやすいものが多い(極性分子の水がイオンを引き離して水和するため)。
身近な例:
・食塩NaCl: 調味料、生理食塩水
・炭酸カルシウムCaCO3: 石灰岩、貝殻、卵殻、サンゴ
・硫酸銅(II) CuSO4: 青色結晶。乾燥剤や毒物検出
・水酸化ナトリウムNaOH: 苛性ソーダ。強塩基
・塩化アンモニウムNH4Cl: 多原子陽イオンを含むイオン結合の例
多原子イオンを含む場合は、丸ごとを1単位として組成式を作ります(例: (NH4)2SO4)。

💡 ポイント
  • イオン結合=陽イオンと陰イオンの静電気的結合
  • 金属元素+非金属元素の組み合わせが多い
  • 組成式は電荷の総和=0になる最簡整数比
  • NaClは1:1、CaCl2は1:2、Al2O3は2:3
  • 融点が高く硬いがもろい
  • 固体は不導体、水溶液・液体は電気を通す
  • 水に溶けやすいものが多い(水和)
  • 多原子イオンには括弧を使う(NH4)2SO4

注意点 (混同しやすい)

組成式(NaCl)と分子式(H2O)は別。イオン結晶は分子という単位がないので組成式を使う。② NaClの「式量」=Naの原子量+Clの原子量だが、「分子量」とは呼ばない。③ イオン結合共有結合の境界は電気陰性度差で連続的。完全なイオン結合は理想化された概念。④ アンモニウムイオンNH4+を含むものは非金属同士のイオン結合(NH4Cl など)。

練習

  1. カルシウムイオンCa2+と塩化物イオンCl-からなる物質の組成式を書きなさい。
  2. イオン結晶が固体では電気を通さず、水溶液では通す理由を説明しなさい。
  3. NaClとMgOの融点ではどちらが高いと予想されるか、理由も含めて答えなさい。

このレッスンのQ&A

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