茎のつくり・根のつくり
葉でつくった養分はどう全身に届くのか。根で吸った水はどう葉まで運ばれるのか。植物の輸送システムを学びましょう。
基本知識
茎の中には維管束 (vascular bundle) という管の束があり、2種類の管で構成されます:
・道管 (xylem): 根→葉へ水と無機養分を運ぶ。維管束の内側。
・師管 (phloem): 葉→全身へ光合成産物(糖)を運ぶ。維管束の外側。
双子葉類の茎は維管束が環状に並び、道管と師管の間に形成層がある(これにより茎が太く成長)。
単子葉類の茎は維管束が散在、形成層がない。
根は土から水と無機養分(窒素・リン・カリウムなど)を吸収します。根の先端近くには根毛 (root hair) という細い突起が多数あり、表面積を大きくして吸収効率を高めています。根は葉緑体を持たず(光合成しない)、養分は葉から師管で送られてきます。
維管束 (vascular bundle)(道管と師管が束になった通り道)
道管 (xylem)(水と無機養分を根から葉へ運ぶ。維管束の内側)
師管 (phloem)(光合成産物を葉から全身へ運ぶ。維管束の外側)
形成層 (cambium)(道管と師管の間。細胞分裂で茎を太くする。双子葉のみ)
根毛 (root hair)(根の表面の細い突起。表面積を増やす)
無機養分(窒素・リン・カリウムなど。三要素と呼ぶ)
深掘り (背景・意義)
道管は死んだ細胞がつながった管で、中は中空。水を根から葉まで運ぶときに障害物がなくスムーズです。一方、師管は生きた細胞で構成され、糖を全身に「能動的に」送ります。
双子葉類だけが持つ形成層は、年に1回ずつ細胞分裂で太くなり、年輪を作ります。年輪を数えれば樹齢が分かり、年輪の幅から当時の気候まで推定できます(年輪年代学)。
植物の三大栄養素は 窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)。窒素は葉、リンは花・実、カリウムは根の成長に重要で、化学肥料の成分にもなっています。
根毛は1株のトウモロコシで合計数百kmにも及ぶことがあり、植物がいかに効率的に水・養分を吸収しているかが分かります。土に植え替えて根を傷つけると、根毛が壊れて吸水力が一気に落ち、葉がしおれることがあります。
- 道管=水・無機養分(根→葉)・維管束の内側
- 師管=有機養分(葉→全身)・維管束の外側
- 双子葉=維管束環状+形成層あり
- 単子葉=維管束散在+形成層なし
- 形成層が茎を太くし、年輪を作る
- 根毛で吸収効率アップ
- 植物三大栄養素: N・P・K
注意点 (混同しやすい)
① 道管(水・内側)と師管(養分・外側)を逆にしない。「水=どう(管)」と覚える。② 形成層は双子葉類のみ。単子葉類(イネ)は太くならない。③ 根は水と無機養分を吸う。有機養分は葉から師管で送られてくる。根は光合成しない。④ 根毛は根の表皮細胞の突起であって独立した器官ではない。
練習
- 葉でできた糖を運ぶ管を何と呼ぶか。
- 形成層を持つのは双子葉類と単子葉類のどちらか。
- 根毛が存在する意義を簡潔に答えなさい。