高校基礎 / 植生の多様性と分布 1 / 6

植生と相観・生活形

植生と相観・生活形

ある場所に生育する植物の集まりを植生といいます。植生は気候や地形によって特徴的な姿(相観)を示します。

基本知識

植生はある地域に生育する植物全体を指し、その外観上の特徴を相観と呼びます。相観を決定づけるのが、最も個体数が多く、植生の様子を特徴づける優占種です。たとえば日本の暖温帯ではスダジイやアラカシなどの常緑広葉樹が優占し、植生は照葉樹林と呼ばれます。
植物の形態と生活様式を分類したものが生活形です。ラウンケル(ラウンケル)の分類が有名で、休眠芽の位置を基準に①地上植物(芽が地上30cm以上)、②地表植物、③半地中植物、④地中植物(球根など)、⑤一年生植物(種子で越冬)、⑥水生植物に分類します。気候帯によって主体となる生活形は異なり、熱帯では地上植物が、寒帯では半地中植物が優勢です。
植生は森林(高木)・草原(草本)・荒原(植物がまばら)に大別されます。

📘 重要用語
植生(ある地域に生育する植物全体)
相観(植生の外観上の特徴。森林・草原・荒原)
優占種(植生で最も個体数や占有面積が多く相観を決める種)
生活形(植物の形態や生育様式による分類)
ラウンケルの生活形(休眠芽の位置による分類)
階層構造(高木層・亜高木層・低木層・草本層・地表層など森林の上下構造)

深掘り

森林には垂直方向に階層構造があり、上から高木層(20m以上)、亜高木層低木層草本層地表層と分かれます。各層は光環境が異なり、上層から下層へ届く光は急激に減少します。下層では陰生植物(光が弱くても生育できる)、上層では陽生植物(強光が必要)が優勢で、光をめぐる住み分けが成り立っています。
地表層には林床植物落葉層(リター層)があり、有機物の分解と栄養塩の循環の場となります。森林は単なる木の集合ではなく、立体的に光・水・養分を分け合う精緻な構造体です。同じ気候でも森林の構造が安定すれば、最終的に相観も安定していきます(後の遷移で学びます)。

💡 ポイント
  • 植生=ある地域の植物全体、相観=その外観
  • 優占種が相観を決める
  • 相観の3大分類=森林・草原・荒原
  • ラウンケルの生活形は休眠芽の位置で分類
  • 森林の階層構造=高木層〜地表層
  • 陽生植物(上層)と陰生植物(下層)で住み分け
  • 林床植物と落葉層が栄養循環を担う

注意点

植生(植物の集まり)と相観(外観上の特徴)を区別。② 優占種は単に多い種ではなく、植生を特徴づける種。③ ラウンケルの分類は休眠芽の位置が基準。形やサイズではない。④ 階層構造は高木層・亜高木層・低木層・草本層・地表層。順序を誤らない。

練習

  1. 植生の外観上の特徴を何というか。
  2. ラウンケルが生活形分類の基準とした植物の部位は何か。
  3. 森林の階層構造で、最上層を何と呼ぶか。

このレッスンのQ&A

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