高校基礎 / 植生の多様性と分布 3 / 6

植生の遷移 一次遷移と二次遷移

植生の遷移 一次遷移と二次遷移

裸地から始まり、時間とともに植生が変化していく現象を遷移(サクセッション)と呼びます。最終的に安定した植生極相に到達します。

基本知識

遷移には一次遷移二次遷移があります。
一次遷移: 火山噴火後の溶岩台地や新たに現れた裸地など、土壌も生物もない場所から始まる遷移。
裸地: 土壌なし。乾燥に強い地衣類・コケ類が侵入(先駆種・パイオニア種)。
草原: 草本が侵入し有機物が蓄積。
低木林: ヤシャブシ・ハンノキなど。
陽樹林: アカマツ・コナラなどの陽樹が優占。
混交林: 林床の暗さで陽樹の幼木が育たず、陰樹の幼木が育つ。
陰樹林(極相林): スダジイ・タブノキなどの陰樹が優占し、安定する。
二次遷移: 山火事・伐採後・耕作放棄地など、土壌や種子・根が残った状態から始まる遷移。一次遷移より進行が速く、草原から始まり数十年で森林に達することもある。
極相(クライマックス)に達した植生は外的撹乱がなければ長期間安定し続けます。

📘 重要用語
遷移(サクセッション)(時間とともに植生が変化していく現象)
一次遷移(土壌のない裸地から始まる遷移)
二次遷移(土壌や種子が残った状態から始まる遷移)
先駆種(パイオニア種)(遷移初期に侵入する種。地衣類・コケなど)
極相(クライマックス)(遷移の最終段階の安定した植生)
ギャップ(極相林で大木が倒れて生じる空き地。陽樹が侵入できる)

深掘り

遷移を進める原動力は生物自身による環境改変です。先駆種の地衣類・コケが岩を風化させ有機物を蓄積し、土壌が形成されます。土壌があると草本が侵入でき、草本が落葉を残してより豊かな土壌になり、低木が育ち、陽樹が育つ・・・と、植生自身が次の段階を準備します。これを自己駆動的な変化と呼びます。
極相林に達しても変化は止まりません。大木が倒れたり台風で枝が折れたりするとギャップと呼ばれる小さな明るい空き地ができ、そこに陽樹が一時的に侵入します。極相林全体としては陰樹優占ですが、内部では小スケールのギャップ更新が繰り返されており、生物多様性が維持されています。日本の暖温帯ではシイ・カシなどの照葉樹林、冷温帯ではブナなどの夏緑樹林が極相となります。

💡 ポイント
  • 一次遷移=裸地スタート(火山・溶岩・氷河後退地)
  • 二次遷移=土壌あり(山火事・伐採後・放棄畑)
  • 遷移の順序=裸地→草原→低木林→陽樹林→混交林→陰樹林
  • 先駆種=地衣類・コケ・草本
  • 極相=陰樹優占の安定植生(クライマックス)
  • 二次遷移は一次遷移より速い
  • ギャップ更新が極相林の多様性を維持

注意点

一次遷移二次遷移のスタート条件(土壌の有無)を区別。② 遷移の段階名と順序を覚える(裸地・草原・低木・陽樹・混交・陰樹)。③ 陽樹林が永続せず陰樹林に置き換わるのは、林床が暗くなり陽樹の幼木が育たないから(陽樹の親木が枯れない訳ではない)。④ 極相は地域の気候で決まる。気候が変われば極相も変わる。

練習

  1. 火山噴火後の溶岩台地から始まる遷移を何遷移というか。
  2. 遷移の最終段階で達する安定した植生を何というか。
  3. 陽樹林が混交林を経て陰樹林に置き換わる主な理由を答えなさい。
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このレッスンのQ&A

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