高校基礎 / 植生の多様性と分布 5 / 6

日本のバイオーム 水平分布と垂直分布

日本のバイオーム 水平分布と垂直分布

日本は南北に長く、山がちな地形のため、緯度方向の水平分布と標高方向の垂直分布の両方でバイオームが変化します。

基本知識

水平分布(緯度による変化):
亜熱帯多雨林: 沖縄・小笠原。アコウ・ガジュマル・ヒルギ(マングローブ)。
照葉樹林: 九州〜関東(暖温帯)。スダジイ・タブノキ・アラカシ。
夏緑樹林: 東北・北海道南部(冷温帯)。ブナ・ミズナラ・カエデ。
針葉樹林: 北海道東部・北部(亜寒帯)。エゾマツ・トドマツ。
垂直分布(標高による変化、本州中部):
丘陵帯(低地帯): 〜700m前後。照葉樹林。
山地帯: 700〜1700m前後。夏緑樹林(ブナなど)。
亜高山帯: 1700〜2500m前後。針葉樹林(シラビソ・コメツガ)。
高山帯: 2500m以上。森林限界を超えハイマツ帯・お花畑(高山植物)。
標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるため、登山は緯度を北上するのと同じ気候変化を体験できます。

📘 重要用語
水平分布(緯度の変化によるバイオームの変化)
垂直分布(標高の変化によるバイオームの変化)
丘陵帯・山地帯・亜高山帯・高山帯(垂直分布の4区分)
森林限界(樹木が生育できる上限の標高線)
ハイマツ帯(高山帯の風衝低木林。マツ科ハイマツが地面を這う)
お花畑(高山植物群落)(高山帯の草原状植生)

深掘り

日本のバイオーム分布を決めるのは暖かさの指数(月平均気温5℃を超える月の(月平均気温-5)の合計)で、地理学者の吉良竜夫が提唱しました。暖かさの指数で照葉樹林は85〜180、夏緑樹林は45〜85、針葉樹林は15〜45の範囲とされます。
垂直分布における各帯の境界標高は緯度で変化します。低緯度ほど境界が高く(沖縄では森林限界がほぼ存在しない)、高緯度ほど境界が低くなります(北海道の大雪山では森林限界が約1500m)。本州中部では森林限界は約2500mですが、富士山のような独立峰では強風の影響で500m近く下がります。本州の高山植物(コマクサ・チングルマ・ハクサンコザクラなど)は氷期の遺存種で、温暖化により縮小が懸念されています。

💡 ポイント
  • 水平分布=緯度方向、垂直分布=標高方向
  • 本州中部の垂直分布=丘陵・山地・亜高山・高山の4帯
  • 森林限界=樹木が生育できる上限
  • 森林限界以上=ハイマツ帯・お花畑
  • 100m上昇=約0.6℃低下(緯度を北上と同じ)
  • 沖縄=亜熱帯多雨林、関東=照葉樹林
  • 東北=夏緑樹林、北海道東北部=針葉樹林

注意点

水平分布(緯度)と垂直分布(標高)の概念を混同しない。② 本州中部の垂直分布で丘陵帯→山地帯→亜高山帯→高山帯の順と各バイオームの対応(照葉→夏緑→針葉→ハイマツ・お花畑)を覚える。③ 森林限界高山帯亜高山帯の境界。④ 標高100mあたりの気温低下は約0.6℃。緯度1度北上(約110km)とほぼ同じ気温差。

練習

  1. 本州中部の垂直分布で、亜高山帯と高山帯の境界となる標高約2500mの線を何というか。
  2. 標高が100m上昇すると、気温はおよそ何℃下がるか。
  3. 沖縄や小笠原のマングローブ林を構成する代表的な樹木を一つ答えなさい。
🔒

このレッスンはログインが必要です

レッスン3以降を学習するにはアカウントが必要です。
無料で登録できます。

無料でアカウントを作る ログイン

このレッスンのQ&A

読み込み中...