高校基礎 / 生態系とその保全 1 / 6

生態系と食物連鎖・食物網

生態系と食物連鎖・食物網

生物と非生物的環境を含めたまとまりを生態系と呼びます。生態系の中で生物は食う・食われる関係でつながっています。

基本知識

生態系生物的環境(動植物・微生物)と非生物的環境(光・水・温度・土壌など)からなる、物質とエネルギーが流れる系です。生態学者タンズリーが1935年に提唱した概念で、森林・湖沼・海洋などのスケールで考えます。
生物は栄養段階で次のように分けられます。
生産者: 光合成で有機物を作る独立栄養生物。植物・藻類・植物プランクトン・光合成細菌。
消費者: 他生物を食べる従属栄養生物。一次消費者(植食者)→二次消費者(小型肉食)→三次消費者(大型肉食)と続く。
分解者: 死骸や排泄物を分解して無機物に戻す。菌類・細菌類・ミミズ・ダンゴムシなど。分解者も消費者の一種。
食う・食われるの一直線の関係が食物連鎖、複雑にからみ合った網目状の関係が食物網です。実際の生態系は食物網で表されます。

📘 重要用語
生態系(生物的環境と非生物的環境からなる系)
生産者(光合成で有機物を作る生物。植物・藻類)
消費者(他の生物を食べる生物。動物)
分解者(死骸・排泄物を無機物に戻す生物。菌類・細菌類)
食物連鎖(食う・食われる関係の一連の流れ)
食物網(複数の食物連鎖が網目状に絡んだ関係)
栄養段階(生産者から始まる栄養レベル。一次・二次・三次消費者と続く)

深掘り

各栄養段階の生物量(現存量)を縦に積むと、底辺が広く頂上が狭い生態ピラミッドになります。生産者(植物)の量が圧倒的に多く、上位捕食者ほど数も生物量も少ないのが普通です。次レッスンで学ぶエネルギー効率の悪さがその理由です。
食物網は生態系の安定性を生み出す要因です。一直線の食物連鎖だと一種が絶滅すれば連鎖が崩壊しますが、網目状なら別の経路で物質・エネルギーが流れます。ただし、食物網の中で他種への影響力が特に大きい種をキーストーン種(要石種)と呼び、これが失われると群集全体が崩れます(例: ラッコがいなくなるとウニが増えてケルプ林が消える)。

💡 ポイント
  • 生態系=生物的環境+非生物的環境
  • 生産者(植物)・消費者(動物)・分解者(菌類・細菌類)
  • 食物連鎖=直線関係、食物網=網目状関係
  • 実際の生態系は食物網で記述
  • 栄養段階=生産者→一次→二次→三次消費者
  • 生態ピラミッド=底辺広く頂点狭い
  • キーストーン種が群集を支える

注意点

生態系(生物+非生物)と群集(生物のみ)を区別。② 分解者は消費者の一種だが、無機物への分解が役割で別に扱う。③ 食物連鎖(直線)と食物網(網目)。テストでは実際の生態系は網状と書くのが正解。④ キーストーン種は数が多い種ではなく、影響力が大きい種。

練習

  1. 生態系の概念を1935年に提唱した生態学者は誰か。
  2. 菌類や細菌類のように死骸や排泄物を無機物に分解する生物を何と呼ぶか。
  3. 食物網の中で群集全体の安定に大きな影響を与える種を何と呼ぶか。

このレッスンのQ&A

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