恒星の一生と進化
恒星にも誕生と死があります。質量によって異なる進化の道をたどり、宇宙に元素を供給しています。
基本知識
恒星は宇宙空間のガスとちり(星間物質)が重力で集まって誕生します(原始星)。中心の温度が約1000万Kを超えると水素の核融合反応(p-p反応またはCNOサイクル)が始まり、安定して輝く主系列星になります。太陽は今、主系列星です。
核燃料(水素)を使い切ると、星は膨張して赤色巨星になります。質量によって運命が分かれます:
① 太陽質量程度: 外層を放出して惑星状星雲になり、中心は白色矮星へ。
② 太陽の8倍以上: 超新星爆発を起こし、中性子星やブラックホールになる。
超新星爆発で重元素(鉄以上)が宇宙に撒き散らされ、次の星の材料となります。私たちの体の重元素も、過去の星の死から来ています。
主系列星(中心で水素核融合を行う安定段階。太陽はここ)
赤色巨星(水素を使い切り外層が膨張した段階)
白色矮星(軽い星の最終形。地球程度の大きさで密度が極大)
超新星爆発(重い星の終末爆発。重元素を宇宙に放出)
中性子星(超新星後の高密度天体。半径約10kmで太陽質量級)
ブラックホール(光も脱出できないほど重力の強い天体)
深掘り (背景・意義)
1054年に観測されたかに星雲の超新星(SN1054)は、藤原定家の『明月記』にも記録されています。中国の天文学者が「客星」として記録し、現在も超新星残骸として観測できます。
太陽は今後約50億年後に赤色巨星化し、地球軌道近くまで膨張します。最終的に外層を放出し、地球サイズの白色矮星になります。
宇宙の元素はビッグバンで水素・ヘリウムが、恒星内核融合で炭素〜鉄が、超新星爆発で鉄より重い元素(金・ウランなど)が作られました。あなたの体の鉄や炭素は星から来た「星の灰(stardust)」です。
2017年には中性子星合体からの重力波が初検出され、金・プラチナなど最重元素もここで作られると確認されました。
- 恒星誕生=星間物質の重力収縮
- 主系列星=水素核融合段階
- 赤色巨星=水素枯渇後の膨張段階
- 軽い星(太陽程度)→白色矮星
- 重い星(太陽8倍以上)→超新星→中性子星 or ブラックホール
- 炭素〜鉄=恒星内合成
- 鉄より重い元素=超新星/中性子星合体
注意点 (混同しやすい)
① 主系列星(安定)→赤色巨星(膨張)→白色矮星 or 超新星の流れ。② 質量で運命が分かれる(太陽8倍が境界)。③ 新星(ノバ)と超新星(スーパーノバ)は別物。新星は連星系での部分爆発、超新星は星全体の終末爆発。④ 中性子星とブラックホールの境界は太陽の30倍程度。
練習
- 太陽が現在いる進化段階を答えなさい。
- 太陽程度の質量の星の最終形を答えなさい。
- 鉄より重い元素はおもにどのような現象で作られるか。