中学 / 恒星と銀河 5 / 6

宇宙のはじまりと観測技術

宇宙のはじまりと観測技術

宇宙には始まりがあり、現在も膨張を続けています。観測技術の進歩で、その全貌が解明されつつあります。

基本知識

宇宙は約138億年前ビッグバンと呼ばれる超高温・超高密度状態から始まったと考えられています。最初は素粒子しかなかった宇宙は、冷えるにつれて陽子・電子・原子が作られ、38万年後に光が自由に飛べるようになりました(晴れ上がり)。この光の名残が宇宙マイクロ波背景放射(CMB)で、1965年にペンジアスとウィルソンが偶然発見しました。
宇宙が膨張している証拠は、遠くの銀河ほど赤方偏移(光が引き伸ばされて赤くなる現象)が大きいことです。これを発見したハッブルの法則(1929年)が、ビッグバン理論の出発点です。
観測技術:
光学望遠鏡(ハッブル宇宙望遠鏡・ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)。
電波望遠鏡(アルマ望遠鏡・チリ)。
重力波検出器(LIGO・カグラ)で2015年に初検出。

📘 重要用語
ビッグバン(約138億年前の宇宙の始まり)
宇宙背景放射(CMB)(晴れ上がりの光の名残。約2.7K)
赤方偏移(光が引き伸ばされる現象。宇宙膨張の証拠)
ハッブルの法則(遠い銀河ほど速く遠ざかる。1929年)
ハッブル宇宙望遠鏡(1990年打ち上げ・地球周回・可視光)
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)(2021年打ち上げ・赤外線・宇宙初期観測)

深掘り (背景・意義)

宇宙の膨張速度は時間とともに加速しており、その原因としてダークエネルギー(暗黒エネルギー)があると考えられています。宇宙の組成は、通常物質約5%、ダークマター約27%、ダークエネルギー約68%とされています。私たちが知っているのはたった5%に過ぎないのです。
2015年9月、人類は初めて重力波を検出しました。アインシュタインが1916年に予言した時空のゆがみの波が、ブラックホール合体の信号として捉えられたのです。これは天文学に「」という新しい観測手段を加えたと言えます。
JWSTは2022年に最初の画像を公開し、約135億年前の宇宙初期の銀河を観測しています。これは宇宙誕生から約3億年後に当たります。観測技術の進歩は、私たちが宇宙の起源にどんどん近づくことを可能にしているのです。

💡 ポイント
  • 宇宙の年齢=約138億年
  • ビッグバン=超高温・超高密度の始まり
  • CMB=晴れ上がりの光・約2.7K
  • 赤方偏移=宇宙膨張の証拠
  • ハッブルの法則(1929)
  • 宇宙組成:通常物質5%・暗黒物質27%・暗黒エネルギー68%
  • 重力波初検出=2015年

注意点 (混同しやすい)

ビッグバンは「爆発」ではなく「膨張の始まり」。空間そのものが広がっている。② ダークマター(暗黒物質、重力源)とダークエネルギー(暗黒エネルギー、加速膨張源)は別物。③ 赤方偏移=遠ざかる(光が伸びる)、青方偏移=近づく(光が縮む)。④ 光年は距離。「138億年前の宇宙」は時間、「138億光年向こうの銀河」は距離。

練習

  1. 宇宙の年齢はおよそ何年と考えられているか。
  2. 宇宙が膨張している証拠となる現象を何というか。
  3. 2021年に打ち上げられた、赤外線で宇宙初期を観測する宇宙望遠鏡の名前を答えなさい。
🔒

このレッスンはログインが必要です

レッスン3以降を学習するにはアカウントが必要です。
無料で登録できます。

無料でアカウントを作る ログイン

このレッスンのQ&A

読み込み中...