静電気と電子
冬にドアノブで「バチッ」となる経験はありませんか。物質を構成する電気の根本にせまる単元です。
基本知識
すべての物質は原子からできており、原子は中央の原子核(プラスの電気を持つ陽子+電気を持たない中性子)と、周囲を回る電子(マイナスの電気)から構成されています。
通常は陽子と電子の数が同じで電気的に中性ですが、こすり合わせる(摩擦)と電子が一方から他方へ移動し、片方はマイナスに帯電、片方はプラスに帯電します。これが静電気です。
静電気には2つの基本法則があります:
・同じ符号の電気は反発する
・異なる符号の電気は引き合う
原子(物質を構成する最小単位の粒子。原子核と電子から成る)
陽子(原子核の中の +電気を持つ粒子)
電子(原子核の周りを回る −電気を持つ粒子)
静電気(物体に蓄えられた電気。摩擦などで生じる)
放電(蓄えられた電気が一気に流れること。落雷もその一種)
陰極線(真空放電で陰極から出る電子の流れ。電子発見の鍵)
深掘り (背景・意義)
静電気の電圧は驚くほど高く、人体に貯まった静電気は数千〜数万ボルトにもなります。それでも感電死しないのは、流れる電流が非常に小さく、ごく短時間しか流れないからです。
1897年、J.J.トムソンは陰極線(クルックス管)の実験から電子を発見しました。これにより「原子は最小単位ではなくさらに小さな構成要素がある」ことが分かり、現代物理学の幕が開けました。
静電気は実生活では問題にも応用にもなります:
・問題: 電子機器の故障、引火・爆発(ガソリンスタンド等)、不快感
・応用: コピー機・レーザープリンタ(静電気でトナーを吸着)、静電集塵機(空気清浄機で粉塵を集める)、食品ラップがくっつく仕組み
雷は雲と地表の間に貯まった静電気が一気に放電する現象で、約1億V・数万Aにもなります。
- 原子 = 原子核(陽子+中性子) + 電子
- 電子はマイナスの電気を持つ
- 摩擦で電子が移動 → 静電気
- 同符号は反発、異符号は引き合う
- 静電気の電圧は高いが電流は小さい
- トムソンが1897年に電子を発見
- 応用: コピー機・空気清浄機 / 危険: 引火爆発
注意点 (混同しやすい)
① 原子核は陽子+中性子、原子核+電子で原子。原子核と原子は別物。② 電子はマイナス。これを間違えると電流の向きも逆になる。③ 静電気は電圧は高いが電流は小さい。だから感電してもケガはまれ。④ 陰極線の正体は電子の流れ。これは中学レベルでは出題頻度高。
練習
- 原子は何と何から成り立つか答えなさい。
- 電子はプラス・マイナスどちらの電気を持つか。
- 同じ符号の静電気は引き合うか反発するか。