エネルギー保存則と変換効率
エネルギーの総量は変わりませんが、目的のエネルギーへの変換効率は装置によって大きく異なります。
基本知識
エネルギー保存則: エネルギーが他のエネルギーに変換されても、その総量は変わらない。
これは熱・摩擦・音などのロスも含めれば常に成り立つ普遍的法則です。
変換効率: 入力エネルギーのうち目的の形のエネルギーに変換された割合。変換効率 (%) = (有効エネルギー / 入力エネルギー) × 100
代表的な装置の効率:
・白熱電球: 光に変わるのは約 10%(残り90%は熱)
・LED電球: 光に変わるのは約 40〜50%
・自動車のガソリンエンジン: 約 25〜30%(残りは排熱・摩擦)
・電気自動車のモーター: 約 90%
・太陽電池: 約 15〜25%
・火力発電所: 約 40%
エネルギー保存則(エネルギーの総量は変換しても不変)
変換効率(有効エネルギー ÷ 入力エネルギー)
熱エネルギーの損失(変換で必ず生じるロス。摩擦・抵抗など)
熱力学の第2法則(熱は完全には仕事に変換できない。エントロピー)
省エネルギー(無駄を減らしエネルギーを有効活用する取り組み)
LED(高効率の発光ダイオード。白熱電球の代替)
深掘り (背景・意義)
エネルギー保存則は力学的エネルギー保存則を一般化したものです。摩擦で熱が発生しても、その熱を含めれば常に保存されます。
重要なのは、熱エネルギーは100%他のエネルギーには戻せない(熱力学第2法則)ということ。一度熱になったエネルギーの一部は失われ、宇宙のエントロピーが増えていきます。
白熱電球はフィラメントを熱して光らせる仕組みなので、ほとんどが熱としてロスします。LEDは電子のエネルギーを直接光に変える仕組みで、熱にならない分効率が高くなります。
2010年代に世界で白熱電球からLEDへの置き換えが急速に進み、照明での電力消費が大幅に削減されました。
変換効率の改善は地球温暖化対策の中心テーマで、SDGsの「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」の目標にもつながります。同じ仕事でも効率を10%上げれば、エネルギー消費とCO2排出を10%減らせます。
- エネルギー総量は変換しても不変(保存則)
- 変換効率 = 有効E / 入力E ×100%
- 白熱電球の効率約10%、LEDは40〜50%
- ガソリン車25〜30%、電気自動車のモーターは90%以上
- 火力発電所の熱効率約40%
- 熱は完全には仕事に変換できない(第2法則)
- 省エネ = 変換効率の改善 + 無駄削減
注意点 (混同しやすい)
① エネルギー保存則は全宇宙レベルで成り立つ。装置単位の出力が減るのはロスがあるから(失ったわけではない)。② 力学的エネルギー保存則は摩擦無視時に限る一方、エネルギー保存則は熱まで含めて常に成立。③ 変換効率の上限は100%未満(熱力学第2法則)。永久機関は実現不可能。④ 効率は用途で変わる(車のエンジンは「動力」が目的だから熱はロス)。
練習
- エネルギー保存則を簡潔に説明しなさい。
- 白熱電球とLED電球で、変換効率が高いのはどちらか。
- 変換効率を求める式を書きなさい。