中学 / エネルギーと科学技術 4 / 6

放射線とその利用

放射線とその利用

放射線は怖いイメージがありますが、自然界に普通に存在し、医療や工業で広く利用されています。正しく理解しましょう。

基本知識

放射線: 高いエネルギーを持つ粒子や電磁波の総称。
主な種類:
α(アルファ)線: ヘリウム原子核。透過力(紙でも止まる)、電離作用大。
β(ベータ)線: 電子。透過力(アルミ薄板で止まる)。
γ(ガンマ)線: 電磁波。透過力(鉛・厚いコンクリで弱まる)。
X線: γ線と同じ電磁波だが発生方法が違う。レントゲンに使う。
中性子線: 中性子の流れ。透過力最強級。
放射線(光線のような流れ)と放射能(放射線を出す能力)、放射性物質(放射線を出す物質)は別概念。
線量の単位:
ベクレル (Bq): 放射能の強さ(1秒間に崩壊する原子核数)
シーベルト (Sv): 人体への影響の大きさ

📘 重要用語
放射線(高エネルギーの粒子・電磁波。α・β・γ・X・中性子線)
放射能(放射線を出す能力。性質・量の意味)
放射性物質(放射線を出す物質。ウラン・セシウム・カリウムなど)
半減期(放射性物質の量が半分に減るまでの時間)
ベクレル (Bq)(放射能の単位。1秒あたりの崩壊数)
シーベルト (Sv)(人体への影響の単位)

深掘り (背景・意義)

放射線は自然界に普通に存在します。宇宙線、地殻のウラン・カリウム、空気中のラドンなど。日本人が自然に浴びる量は年間約2.1 mSvです。
放射線の利用:
医療: レントゲン・CT(X線)、PET検査、がん放射線治療
工業: 非破壊検査(配管の溶接欠陥)、厚さ計、滅菌
農業: 害虫駆除(放射線で不妊化)、品種改良
考古学: 放射性炭素(C14)年代測定
発電: 原子力発電(ウラン235の核分裂)
放射線のリスク: 大量被ばくでDNA損傷・細胞死・がん。安全管理が重要です。
半減期: 放射性物質の量が半分に減るのにかかる時間。
・ヨウ素131: 約8日
・セシウム137: 約30年
・炭素14: 約5730年
・ウラン238: 約45億年
福島第一原発事故では特にセシウム137の対策が長期課題となっています。

💡 ポイント
  • 放射線: α・β・γ・X・中性子線
  • 透過力: α<β<γ・X<中性子
  • 放射線・放射能・放射性物質は別概念
  • Bq = 放射能の強さ、Sv = 人体影響
  • 自然放射線 年間約2.1 mSv (日本平均)
  • 応用: 医療診断・がん治療・年代測定・滅菌
  • 半減期: ヨウ素131約8日、セシウム137約30年

注意点 (混同しやすい)

放射線(線)と放射能(能力)と放射性物質(物質)を厳密に区別。「放射能漏れ」は俗用だが、正確には放射性物質漏れ。② α線は、β線はアルミ、γ線は鉛・コンクリで遮蔽。③ Bqは物質の活性、Svは人体影響と単位が違う。④ 放射線は自然界にも存在し、すべてが人工とは限らない。バナナにも微量含まれる。

練習

  1. α・β・γ線のうち、透過力が最も強いのはどれか。
  2. 放射能の単位を答えなさい。
  3. セシウム137の半減期は約何年か。
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このレッスンのQ&A

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