高校発展 / 反応速度と化学平衡 5 / 6

溶解平衡と緩衝液

溶解平衡と緩衝液

水溶液中の電離平衡・溶解度積・緩衝作用は、生体や環境化学を理解する上で不可欠です。

基本知識

水のイオン積: Kw=[H+][OH-]=1.0×10-14(25℃)
pH=-log[H+]。中性pH=7
酸の電離定数 Ka: HA⇌H++A-, Ka=[H+][A-]/[HA]。pKa=-log Ka
緩衝液: 弱酸とその塩 or 弱塩基とその塩 — 少量の酸塩基添加でpH変化が小さい。ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式 pH = pKa + log([A-]/[HA])
溶解度積 Ksp: AgCl(s)⇌Ag++Cl-, Ksp=[Ag+][Cl-]=1.8×10-10

📘 重要用語・公式
Kw(水のイオン積=10-14(25℃))
Ka, pKa(酸の強さの指標)
ヘンダーソン式(pH = pKa + log([A-]/[HA]))
緩衝液(弱酸+塩 or 弱塩基+塩)
溶解度積 Ksp(難溶塩の溶解平衡)
共通イオン効果(共通イオン添加で溶解度が下がる)

深掘り (原理・応用)

血液のpHは約7.4で、CO2/HCO3-緩衝系が中心的役割を担います: CO2+H2O⇌H2CO3⇌H++HCO3-。pHが7.35未満になるとアシドーシス、7.45を超えるとアルカローシスで生命の危険があります。
溶解度積を使うと、定性分析の硫化物分別沈殿(Ag2S, CuS は pH 低い水溶液でも沈殿、ZnS, MnS は塩基性で沈殿)、写真現像のAgCl/AgBr/AgIの溶解度差利用などが定量的に扱えます。

💡 ポイント
  • Kw=10-14(25℃)
  • pH+pOH=14
  • 緩衝液=弱酸+共役塩
  • ヘンダーソン: pH=pKa+log([A-]/[HA])
  • 緩衝能はpKa±1で最大
  • Ksp=難溶塩の溶解度の表現
  • 共通イオン効果で溶解度低下

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 緩衝液は弱酸+その共役塩基の組(または逆)。強酸+強塩基は緩衝にならない。② Kwは温度上昇で増加(40℃で約2.9×10-14)、中性pHも変わる。③ Kspは無次元ではなく単位を持つ。④ 共通イオン効果: AgClにNaCl添加でAgClの溶解度が低下。

練習

  1. pH=3の水溶液の[H+]はいくらか。また[OH-]も求めよ。
  2. 0.10 mol/L CH3COOH(Ka=1.8×10-5)と0.10 mol/L CH3COONa の緩衝液のpHを求めよ。
  3. AgClの溶解度積Ksp=1.8×10-10のとき、純水中のAgClの溶解度[mol/L]を求めよ。
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このレッスンのQ&A

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