酸化還元と電池の原理
電池は自発的な酸化還元反応を電気エネルギーに変換する装置です。化学エネルギー⇒電気エネルギー変換の原理を理解しましょう。
基本知識
電池の基本構造: ① 正極(還元される側、電子を受け取る)、② 負極(酸化される側、電子を放出する)、③ 電解質、④ 隔膜(イオンは通すが電子は通さない)。
負極で生じた電子は外部回路を通って正極へ移動し、電流(電子の逆方向)が流れます。負極=アノード(酸化)、正極=カソード(還元)というのは電気化学の基本用語で、電池でも電気分解でも変わりません(電位の高低だけ役割が入れ替わる)。
電池の起電力は正極と負極の標準電極電位 E°の差で決まります(Ecell°=Ecathode°-Eanode°)。
📘 重要用語・公式
負極(アノード)(酸化される側。電子放出)
正極(カソード)(還元される側。電子受容)
標準電極電位 E°(標準水素電極基準、25℃)
起電力 Ecell(Ecathode-Eanode)
ネルンストの式(E=E°-(RT/nF)ln Q)
イオン化傾向(K>Ca>Na>Mg>Al>...>Au。左ほど酸化されやすい)
負極(アノード)(酸化される側。電子放出)
正極(カソード)(還元される側。電子受容)
標準電極電位 E°(標準水素電極基準、25℃)
起電力 Ecell(Ecathode-Eanode)
ネルンストの式(E=E°-(RT/nF)ln Q)
イオン化傾向(K>Ca>Na>Mg>Al>...>Au。左ほど酸化されやすい)
深掘り (原理・応用)
ダニエル電池(Zn|ZnSO4||CuSO4|Cu)は最も基本的な化学電池で、起電力1.1 V。負極でZn→Zn2++2e-(酸化), 正極でCu2++2e-→Cu(還元)が起き、イオンの移動を素焼き板やイオン交換膜で調整します。
標準水素電極SHE(Pt|H2(1 atm)|H+(1 M))を基準(E°=0)として、各金属電極のE°が定義されています。Cu/Cu2+ E°=+0.34 V, Zn/Zn2+ E°=-0.76 V → ダニエル電池の起電力=0.34-(-0.76)=1.10 V。
💡 ポイント
- 負極=酸化(アノード)、正極=還元(カソード)
- 電子は外部回路で負→正
- 電流は正→負(電子と逆向き)
- Ecell=Ecathode-Eanode
- SHEを基準にE°を定義
- イオン化傾向: K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
- ダニエル電池=1.1 V
注意点 (混同しやすい・頻出ミス)
① 電池の負極=アノード=酸化、正極=カソード=還元(電気分解と用語の対応が逆転して見えることに注意)。② イオン化傾向が大きい(=E°が小さい)金属が負極になる。③ E°は還元反応の電位として表記(IUPAC規約)。④ E°>0の金属(Cu, Ag, Au)は酸では水素を出さない(=希塩酸・希硫酸に溶けない)。
練習
- ダニエル電池の負極・正極反応式を書け。
- Zn(E°=-0.76 V)とAg(E°=+0.80 V)で電池を作ったとき、起電力と正極・負極を答えよ。
- イオン化傾向の最も大きい金属と最も小さい金属を1つずつ挙げよ。