高校発展 / 電池と電気分解 3 / 6

燃料電池と次世代電池

燃料電池と次世代電池

燃料電池は水素と酸素から水と電気を作る連続発電装置で、脱炭素社会の鍵を握る技術です。

基本知識

燃料電池の基本反応:
負極: 2H2 → 4H+ + 4e-
正極: O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
全反応: 2H2 + O2 → 2H2O。
これは水素の燃焼反応そのもので、ΔH=-572 kJ/(2 mol H2)。理論起電力1.23 V。
種類: ① PEFC(固体高分子形, ナフィオン膜, 80℃, 自動車用), ② SOFC(固体酸化物形, ZrO2, 800℃, 定置電源用), ③ PAFC(リン酸形), ④ MCFC(溶融炭酸塩形)。

📘 重要用語
燃料電池(連続供給で発電する装置)
PEFC(固体高分子形, 自動車用)
SOFC(固体酸化物形, 高温, 定置用)
理論起電力(1.23 V)
エネルギー効率(発電効率+熱回収で90%超)
全固体電池(液体電解質を固体に。次世代EV用)

深掘り (原理・応用)

燃料電池は熱機関のカルノー効率の制約を受けないため、理論的に高効率です。家庭用エネファーム(コージェネレーション)は発電+排熱利用で総合効率90%超を実現しています。
次世代電池として:
全固体電池: 液体電解質を固体に替えて発火リスク低減、エネルギー密度向上
Li-S電池: 硫黄正極で高容量化(理論2,500 Wh/kg)
Na電池: Liの代替で資源リスク低減
レドックスフロー電池: 大型蓄電池
水素社会の実現には製造(グリーン水素=再生可能エネルギーから水電解)と貯蔵・輸送インフラの整備が必要です。

💡 ポイント
  • 燃料電池=水素+酸素⇒水+電気
  • 理論起電力1.23 V
  • PEFC=自動車(MIRAI等)
  • SOFC=定置発電・高温
  • カルノー効率制約なし
  • 全固体電池=次世代EV
  • グリーン水素=再エネ由来

注意点 (混同しやすい・頻出ミス)

① 燃料電池は蓄電池ではない(燃料を外部から連続供給する発電装置)。② 燃料電池車(FCV)とEV(電気自動車)は別。③ 水素は二次エネルギー(製造に電気が必要)で、エネルギー源ではない。④ 化石燃料からの水素製造(グレー水素)はCO2排出があり脱炭素ではない。

練習

  1. 水素酸素燃料電池(酸性電解質)の負極・正極反応式と全反応式を書け。
  2. 燃料電池の総合効率がガソリンエンジンより高いとされる理由を説明せよ。
  3. 水素を「脱炭素エネルギー」と呼ぶ場合に、製造方法に関して注意すべき点は何か。
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このレッスンのQ&A

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