原子と分子
すべての物質は目に見えない小さな粒子から成り立っています。その最小単位が原子で、原子が結びついてできた粒子が分子です。
基本知識
物質を細かく分けていくと、それ以上分割できない最小の粒子に行き着きます。これを原子といいます。原子はとても小さく(直径約10-10 m)、種類は元素の数だけあります。現在約118種類が知られており、元素記号(H、C、O、Na、Fe など)で表します。
原子が2個以上結びついた粒子を分子といいます。例えば水素分子は水素原子2個が結びついたH2、水は水素原子2個と酸素原子1個が結びついたH2Oです。分子をつくる物質を分子性物質、つくらない物質(鉄・塩化ナトリウムなど)は原子やイオンが直接結合しています。
主な元素記号: H(水素)、He(ヘリウム)、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、S(硫黄)、Cl(塩素)、K(カリウム)、Ca(カルシウム)、Fe(鉄)、Cu(銅)、Ag(銀)、Zn(亜鉛)。
原子(物質を構成する最小の粒子。種類ごとに質量・大きさが決まっている)
元素(原子の種類を表す概念。元素記号で表す)
分子(2個以上の原子が結びついた粒子。物質の性質を示す最小単位)
元素記号(原子の種類を表すアルファベット1〜2文字)
化学式(物質を元素記号と数字で表した式。
H2O、CO2など)
深掘り
原子論は古代ギリシャのデモクリトスが提唱しましたが、近代原子論はドルトン(1803年)によって確立されました。ドルトンは「同じ元素の原子は同じ質量をもつ」「化学変化で原子は新しく生まれたり消えたりしない」と主張しました。
原子は中心に原子核(陽子+中性子)があり、周りを電子が飛び回っています。化学変化では電子のやり取りや共有が起き、原子核は変わりません。そのため、反応前後で原子の数は変わらず質量保存の法則が成り立ちます。
分子の代表例: 水素H2、酸素O2、窒素N2、二酸化炭素CO2、水H2O、アンモニアNH3、塩素Cl2。
- 原子=これ以上分割できない最小の粒子
- 元素記号の最初の文字は大文字、2文字目は小文字
- 分子=2個以上の原子が結合した粒子
- 鉄・銅・塩化ナトリウムは分子をつくらない
- 化学式の右下の小さな数字=原子の個数
H2O:H原子2個・O原子1個- 原子は化学変化で新たに生まれたり消えたりしない
注意点
① 元素(種類の概念)と原子(実際の粒子)を混同しない。「酸素原子」は原子、「酸素元素」は元素。② 分子式と化学式は中学では同じ扱いだが、鉄 Fe は分子ではなく1個の原子として扱う。③ 水素分子 H2 は水素原子2個の結合体で、水素原子 H とは別物。④ 元素記号の大文字・小文字は厳密に区別(Coはコバルト、COは一酸化炭素)。
練習
- 水の化学式を書き、含まれる原子の種類と個数を答えなさい。
- 鉄の元素記号を書きなさい。また、鉄は分子をつくるか。
- 次の化学式が表す物質名を答えなさい: CO2、NH3、O2。