還元と酸化・還元の同時性
物質が酸素を失う化学変化を還元といいます。酸化と還元は必ず同時に起こります。
基本知識
還元は酸化物から酸素が奪われる変化です。酸素を奪うことによって酸化物を還元する物質を還元剤といいます。
代表的な還元反応:
・酸化銅と炭素の反応: 2CuO + C → 2Cu + CO2
CuO が還元されて Cu になる(酸素を失う)
C が酸化されて CO2 になる(酸素を得る)
・酸化銅と水素の反応: CuO + H2 → Cu + H2O
CuO が還元されて Cu になる
H2 が酸化されて H2O になる
酸化と還元は必ず同時に起こります。一方が酸化されれば、もう一方が還元される。これを酸化還元反応といいます。
この規則から、酸化剤(相手を酸化する物質)は自身が還元される、還元剤(相手を還元する物質)は自身が酸化されます。
還元(物質が酸素を失う化学変化)
還元剤(相手の物質から酸素を奪う物質。自身は酸化される)
酸化剤(相手の物質に酸素を与える物質。自身は還元される)
酸化還元反応(酸化と還元が同時に起こる反応)
製錬(鉄鉱石から鉄を取り出す工業的な還元。コークスを使う)
一酸化炭素(CO。製鉄高炉で還元剤として働く。CO2より還元力が強い場合がある)
深掘り
酸化と還元の同時性は、鉄の製錬でよくわかります。高炉の中ではコークス(炭素)が燃えて一酸化炭素(CO)を生じ、COが鉄鉱石(主成分Fe2O3)から酸素を奪って鉄を取り出します。Fe2O3 + 3CO → 2Fe + 3CO2
ここでは Fe2O3 が還元されて Fe になり、CO が酸化されて CO2 になっています。この酸化還元の仕組みは現代の鉄鋼産業の根幹を成しています。
身近な酸化還元の例:
・花火の火薬(酸化剤+還元剤の混合物)
・燃料電池(水素の酸化を電気エネルギーに変換)
・光合成(CO2が有機物に還元され、H2Oが酸化される)
- 還元=酸素を失う(酸化の逆)
- 酸化と還元は必ず同時に起こる
- 還元剤は自身が酸化され、酸化剤は自身が還元される
2CuO + C → 2Cu + CO2:CuOが還元、Cが酸化CuO + H2 → Cu + H2O:CuOが還元、H2が酸化- 製錬=鉱石から金属を取り出す還元
- 酸化銅の還元→黒色から赤橙色(Cu)に変化
注意点
① 酸化は酸素を得る、還元は酸素を失う。逆にしない。② 酸化と還元は同時に起こる。一方だけ起こることはない。③ 還元剤は自身が酸化される(酸素を奪う代わりに自分が酸化される)。紛らわしいが覚えること。④ 製錬の実験では黒い酸化銅が赤橙色の銅に戻ることを観察できる。
練習
2CuO + C → 2Cu + CO2の反応で、酸化された物質と還元された物質をそれぞれ答えなさい。- 酸化と還元は同時に起こる。この理由を「酸素」を使って説明しなさい。
- 製鉄で鉄鉱石から鉄を取り出す変化を、「還元」という語を使って簡単に説明しなさい。