エネルギーの種類と変換
私たちの生活はエネルギーの変換によって成り立っています。エネルギーの種類とエネルギー保存則を理解しましょう。
基本知識
エネルギーの主な種類:
・力学的エネルギー: 運動エネルギー(1/2 mv²)+ 位置エネルギー(mgh)
・熱エネルギー: 物質を構成する粒子の熱運動
・電気エネルギー: 電荷の移動(電流)
・化学エネルギー: 化学結合に蓄えられたエネルギー
・核エネルギー: 原子核の結合エネルギー
・光エネルギー: 電磁波のエネルギー
エネルギー保存則: エネルギーの総量は変換・移動しても変わらない。
エネルギーの質の低下: 変換時に一部が熱エネルギーに変わる(不可逆)。利用できるエネルギーは減少する(エネルギーの散逸)。
・熱効率: η = 有効に取り出したエネルギー / 供給したエネルギー × 100%
エネルギー保存則(エネルギーの総量は不変。形は変わっても総量は同じ)
熱効率 (η)(有効利用エネルギー / 供給エネルギー。100% 未満)
エネルギー変換(化学→熱→運動→電気 など形を変えること)
散逸(エネルギーが熱として周囲に拡散し利用できなくなること)
一次エネルギー(自然界に存在する未変換のエネルギー資源)
二次エネルギー(電気・ガソリンなど一次を変換した利用しやすいエネルギー)
深掘り (背景・意義)
熱力学第一法則: エネルギー保存。熱力学第二法則: エントロピー(乱雑さ)は増大する方向にしか自発的に変化しない。つまりエネルギーは常に「質が落ちる」方向に変換されます。火力発電の熱効率は約 40〜50%、ガソリンエンジンは約 20〜30%。電気自動車は変換損失が少なく総合効率が高くなります。
食物のエネルギーも化学エネルギーです。栄養学では 1 kcal = 4.2 kJ として計算します。激しい運動で 2000 kcal 消費するとは約 8.4 × 10⁶ J のエネルギーを使うことを意味します。これをすべて電力に換算すると約 2.3 kWh です。
太陽のエネルギーは核融合(水素→ヘリウム)です。地球に届く太陽エネルギーは 1m² あたり約 1360 W(太陽定数)。その一部が植物の光合成→化石燃料として数億年かけて蓄積されたものを、現代人は急速に燃やしています。
- エネルギー保存則: 総量不変
- 変換時に熱として散逸する部分がある
- 熱効率 = 有効エネルギー/供給エネルギー
- 熱効率は必ず 100% 未満
- 一次エネルギー: 化石燃料・核燃料・再生可能
- 二次エネルギー: 電気・水素など
- エネルギーの質は変換のたびに低下する
注意点 (混同しやすい)
① エネルギー保存則は成り立つが、変換後に利用可能なエネルギーは減る(散逸するため)。② 熱効率が 100% の機関は存在しない(熱力学第二法則)。③ 「エネルギーを節約する」は物理的には節約でなく、「エネルギーの散逸を減らす」こと。④ 一次エネルギーと二次エネルギーを区別する。電気は二次エネルギー。
練習
- 100 J の熱を受け取り 40 J の仕事をする熱機関の熱効率を求めなさい。
- エネルギー保存則が成り立つにもかかわらず「省エネ」が必要な理由を答えなさい。
- 電気エネルギーは一次エネルギーか二次エネルギーか。