物理学の発展と科学技術
古典物理学から現代物理学への発展を概観し、日常生活に活かされている物理の成果を確認しましょう。
基本知識
物理学の発展の流れ:
① 古典力学(ニュートン・17世紀): 運動の3法則・万有引力
② 熱力学(19世紀): エネルギー保存則・エントロピー
③ 電磁気学(ファラデー・マクスウェル・19世紀): 電場・磁場・電磁波の統一
④ 相対性理論(アインシュタイン・1905年): 特殊相対性理論(E = mc²)・1915年: 一般相対性理論
⑤ 量子力学(プランク・ボーア・ハイゼンベルク・シュレーディンガー・20世紀初頭): 原子・分子レベルの現象
現代技術と物理の関係:
・半導体: 量子力学 → スマートフォン・コンピュータ
・GPS: 相対性理論で補正 → カーナビ
・MRI: 核磁気共鳴 → 医療診断
・レーザー: 誘導放出(量子力学) → 光通信・手術
相対性理論(アインシュタイン。E = mc²。光速不変・時空の歪み)
量子力学(原子・光のミクロ世界の物理。波と粒子の二重性)
E = mc²(質量とエネルギーの等価性。核エネルギーの源)
光電効果(光が金属に当たり電子を放出する現象。光の粒子性の証拠)
半導体(導体と絶縁体の中間の電気抵抗を持つ物質。Si・Ge など)
プランク定数 h(h = 6.63 × 10⁻³⁴ J·s。量子の基本定数)
深掘り (背景・意義)
E = mc² はエネルギー E と質量 m が等価であることを示します。c = 3.0 × 10⁸ m/s なので c² = 9 × 10¹⁶。ごくわずかな質量でも巨大なエネルギーになります。ウラン 235 の 1 g が核分裂すると約 8 × 10¹⁰ J のエネルギー(石炭 3000 kg 分相当)が放出されます。
光電効果: 金属に一定以上の振動数の光を当てると電子が飛び出します。これを「光の粒子(光子・フォトン)」として説明したのがアインシュタインで、1905年に論文を発表し 1921 年ノーベル物理学賞を受賞しました。光子のエネルギー E = hf (h: プランク定数、f: 振動数)。
量子コンピュータは量子の「重ね合わせ」「もつれ」を利用し、特定の問題を従来のコンピュータより指数関数的に速く解ける可能性があります。薬の開発・材料設計・暗号解読などへの応用が研究されています。
- 古典力学 → 熱力学 → 電磁気学 → 相対論・量子力学
- E = mc²: 質量とエネルギーは等価
- 光電効果: アインシュタインが光子で説明
- 光子のエネルギー: E = hf
- 量子力学: 半導体・レーザー・MRI に応用
- GPS には相対性理論の補正が必要
- 科学技術の発展は物理学の基礎理論に基づく
注意点 (混同しやすい)
① 特殊相対性理論(1905年)と一般相対性理論(1915年)は別の理論。特殊は等速運動、一般は加速度・重力まで含む。② 光電効果を説明したのはアインシュタイン(相対論と同じ 1905 年)で、ノーベル賞はこれで受賞。③ 半導体は量子力学で初めて理解できる現象。古典物理学では説明できない。④ E = mc² は核エネルギーだけでなく、あらゆるエネルギー変換(化学反応でも)に成り立つが、化学反応では質量変化が極めて小さく測定できない。
練習
- アインシュタインの特殊相対性理論で示されたエネルギーと質量の関係式を答えなさい。
- 光電効果とは何か、簡潔に説明しなさい。
- 量子力学が応用されている現代技術を1つ挙げなさい。