高校発展 / 電場と電位 1 / 6

クーロンの法則と電荷

クーロンの法則と電荷

静電気力(クーロン力)は電荷の間に働く基本的な力です。その定量的な記述であるクーロンの法則を理解しましょう。

基本知識

電荷 (electric charge) には正(+)と負(−)の2種類があり、同符号は反発・異符号は引力が働きます。電荷の単位はクーロン [C]
電子1個の電荷は e = 1.6 × 10⁻¹⁹ C素電荷)で、電荷は必ず素電荷の整数倍です(電荷の量子化)。

クーロンの法則: 電荷 q₁, q₂ が距離 r 離れているとき、
F = k q₁q₂ / r²
ここで k = 9.0 × 10⁹ N·m²/C²(クーロン定数)。F > 0 で反発、F < 0 で引力。
真空の誘電率 ε₀ を用いると k = 1/(4πε₀)、ε₀ = 8.85 × 10⁻¹² C²/(N·m²)。

📘 重要用語
電荷 (charge)(電気的性質の源。単位 C)
素電荷 e(電子・陽子の持つ電荷の絶対値。1.6 × 10⁻¹⁹ C)
クーロン定数 k(9.0 × 10⁹ N·m²/C²。k = 1/(4πε₀))
誘電率 ε₀(真空の誘電率。8.85 × 10⁻¹² C²/(N·m²))
電荷の保存則(孤立系では全電荷量は変化しない)
電荷の量子化(電荷は素電荷の整数倍のみ取れる)

深掘り (背景・意義)

クーロンの法則は万有引力の法則 F = Gm₁m₂/r² と同じ逆二乗則の形をしています。しかし電気力は重力の約10³⁶ 倍強く、正負両符号のため遮蔽が起こります。これが日常スケールで電気力が支配的にならない理由です。
導体内では自由電子が移動し、静電誘導が起きます。絶縁体(誘電体)では誘電分極が起きます。導体を接地(アース)すると電位がゼロに固定されます。
電荷の保存則と量子化は現代物理の礎で、ミリカンの油滴実験(1909年)で素電荷が精密測定されました。

💡 ポイント
  • クーロンの法則: F = kq₁q₂/r²(r² に反比例)
  • k = 9.0 × 10⁹ N·m²/C²
  • 同符号 → 反発、異符号 → 引力
  • 素電荷 e = 1.6 × 10⁻¹⁹ C
  • 電荷の保存則・量子化は普遍的
  • 重力と同じ逆二乗則だが桁違いに強い
  • k = 1/(4πε₀)

注意点 (混同しやすい)

① F は力の大きさ(スカラー)。方向は符号で判断。② r は距離であって位置座標ではない。③ 媒質が真空・空気以外のとき k を ε で割る必要がある(k → k/ε_r)。④ 万有引力との類比は有益だが、電気力は斥力にもなる点が本質的に異なる。

練習

  1. 2.0 × 10⁻⁶ C と 3.0 × 10⁻⁶ C の電荷が 1.0 m 離れているとき、クーロン力の大きさを求めよ。
  2. 素電荷を e とすると、陽子の電荷は何 C か。また電子の電荷は?
  3. クーロン定数 k と真空の誘電率 ε₀ の関係式を書きなさい。

このレッスンのQ&A

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