高校発展 / 電磁気と回路 1 / 6

電流と磁場・アンペールの法則

電流と磁場・アンペールの法則

電流が磁場を作り、磁場が電流に力を与える。電磁気学の相互作用の核心を学びます。

基本知識

直線電流が作る磁場(アンペールの法則):
電流 I から距離 r の点: B = μ₀I/(2πr)
方向: 右ねじの法則(電流の向きに右ねじを進めると、ねじの回転方向が磁場の向き)

円形電流の中心の磁場:
B = μ₀I/(2r)(r: 円の半径)

ソレノイド内部の磁場:
B = μ₀nI(n: 単位長さあたりの巻き数)

真空の透磁率: μ₀ = 4π × 10⁻⁷ T·m/A

磁場中の電流に働く力(アンペール力):
F = BIL sinθ(L: 電流の長さ、θ: 磁場と電流のなす角)

📘 重要用語
磁束密度 B (magnetic flux density)(磁場の強さ。単位 T = Wb/m²)
透磁率 μ₀(真空の透磁率。4π × 10⁻⁷ T·m/A)
右ねじの法則(電流方向に右ねじを進めると磁場は回転方向)
アンペール力(磁場中の電流が受ける力。F = BIL sinθ)
ソレノイド(コイルを密巻きにした電磁石。内部は一様磁場)

深掘り (背景・意義)

2本の平行電流が引き合う/斥け合う現象はアンペール力の応用です: 同方向電流は引力、逆方向電流は反力。電流の単位「アンペア」はこの力から定義されていました(2019年改定前)。
ソレノイドの磁場 B = μ₀nI はコイルの長さ・断面積に依存しません。MRI(磁気共鳴画像)装置では超伝導コイルを用いて強力な一様磁場(数テスラ)を作ります。
磁場の基本単位テスラ(T)は非常に強力: 地磁気は約 5 × 10⁻⁵ T、MRI装置は 1.5〜3 T、実験用超伝導磁石では 20 T 以上も実現されています。

💡 ポイント
  • 直線電流の磁場: B = μ₀I/(2πr)
  • 方向: 右ねじの法則
  • 円形電流中心: B = μ₀I/(2r)
  • ソレノイド内部: B = μ₀nI
  • アンペール力: F = BIL sinθ
  • μ₀ = 4π × 10⁻⁷ T·m/A
  • 同向き電流→引力、逆向き→斥力

注意点 (混同しやすい)

① 磁場の向きは右ねじの法則で必ず確認(左ねじと混同しない)。② アンペール力の向きはフレミング左手の法則(中指: 電流、人差し指: 磁場、親指: 力)。③ F = BIL はθ= 90° の場合。一般は sinθを忘れずに。④ 「磁場 H」と「磁束密度 B」は別物。高校物理では B を使う。

練習

  1. 電流 5.0 A の直線電流から 0.10 m 離れた点の磁束密度を求めよ(μ₀ = 4π × 10⁻⁷ T·m/A)。
  2. ソレノイド(n = 1000 回/m、I = 2.0 A)内部の磁束密度を求めよ。
  3. 磁束密度 0.50 T の磁場中に垂直に置いた長さ 0.20 m の電流(3.0 A)が受ける力を求めよ。

このレッスンのQ&A

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