ニューロンの構造と静止電位
神経系の基本単位はニューロン(神経細胞)です。刺激の受容・伝導・統合はすべてニューロンの電気化学的性質に基づいています。まず構造と静止状態の電位を理解しましょう。
基本知識
ニューロンの構造:
① 細胞体 — 核と細胞小器官をもつ中心部。
② 樹状突起 — 細胞体から多数伸びる短い突起。他のニューロンや受容器から信号を受け取る。
③ 軸索(神経繊維) — 細胞体から1本伸びる長い突起。信号を次のニューロンや効果器へ伝える。
④ 髄鞘(ミエリン鞘) — シュワン細胞が軸索に巻き付いた絶縁体。髄鞘をもつ有髄神経と、もたない無髄神経がある。
⑤ ランビエ絞輪 — 髄鞘が途切れた部分。跳躍伝導の場。
静止電位(膜電位):
ニューロンが興奮していない安静時、細胞内はK⁺が多く、細胞外はNa⁺が多い。細胞膜を挟んで内側は外側より約-70 mVの電位(内側が負)、これを静止電位と呼ぶ。
この状態はNa⁺-K⁺ポンプ(ナトリウム-カリウムATPアーゼ)が、ATPを消費してNa⁺を3個外へ、K⁺を2個内へ運ぶことで維持される。
例題
静止電位が約-70 mVである理由を、Na⁺-K⁺ポンプとK⁺の透過性の観点から説明しなさい。
解答: Na⁺-K⁺ポンプがATP消費でNa⁺を細胞外へ、K⁺を細胞内へ送り込み、細胞内K⁺濃度を高い状態に維持する。静止時には細胞膜がK⁺に対して選択的透過性を示し、K⁺が濃度勾配に沿って細胞外へ流出するため、内側が負に帯電して-70 mV程度の電位差が生じる。
静止電位が約-70 mVである理由を、Na⁺-K⁺ポンプとK⁺の透過性の観点から説明しなさい。
解答: Na⁺-K⁺ポンプがATP消費でNa⁺を細胞外へ、K⁺を細胞内へ送り込み、細胞内K⁺濃度を高い状態に維持する。静止時には細胞膜がK⁺に対して選択的透過性を示し、K⁺が濃度勾配に沿って細胞外へ流出するため、内側が負に帯電して-70 mV程度の電位差が生じる。
ポイント
- ニューロン=細胞体・樹状突起・軸索・髄鞘・ランビエ絞輪
- 静止電位=-70 mV(内側が負)
- 細胞内: K⁺多い・Na⁺少ない / 細胞外: Na⁺多い・K⁺少ない
- Na⁺-K⁺ポンプ=Na⁺3個外へ・K⁺2個内へ(ATP消費)
- 髄鞘=シュワン細胞が巻きついた絶縁体
- ランビエ絞輪=有髄神経の跳躍伝導の場
注意点
① 静止電位は「内側が負」。興奮(脱分極)すると内側が正に転じる。② Na⁺-K⁺ポンプはATPを消費する能動輸送。Na⁺ 3個外・K⁺ 2個内の非対称性が大事。③ 有髄神経は跳躍伝導で高速(最大120 m/s)、無髄は遅い(約1 m/s)。
練習
- ニューロンで刺激を受け取る短い突起の名称を答えなさい。
- 静止電位を維持するために細胞膜に存在するポンプはどれか。またそのポンプが使うエネルギー源は何か。
- 有髄神経で跳躍伝導が起こる部位を何というか。