シナプスと神経伝達物質
ニューロンとニューロン、あるいはニューロンと効果器の間にある接続部位がシナプスです。ここでは電気信号が化学信号に変換されて伝達されます。
基本知識
シナプスの構造: シナプス前膜(小胞に伝達物質を蓄える)・シナプス間隙(約20〜50 nm)・シナプス後膜(受容体タンパク質をもつ)の3部構成。
シナプス伝達の流れ:
① 活動電位がシナプス前膜に到達。② Ca²⁺が前膜から流入し、シナプス小胞がエキソサイトーシスで神経伝達物質を間隙へ放出。③ 神経伝達物質が後膜の受容体に結合。④ 後膜のイオンチャネルが開き、興奮性(EPSP)または抑制性(IPSP)の電位変化が生じる。⑤ 伝達物質は酵素分解・再取り込みで除去される。
主な神経伝達物質: アセチルコリン(運動神経・副交感神経)・ノルアドレナリン(交感神経末端)・ドーパミン(報酬系、不足→パーキンソン病)・セロトニン(気分・睡眠)・グルタミン酸(主要な興奮性)・GABA(主要な抑制性)。
例題
シナプスが一方向にしか伝達できない理由を、構造の観点から説明しなさい。
解答: シナプス小胞はシナプス前膜側にのみ存在し、神経伝達物質の受容体はシナプス後膜側にのみ存在する。そのため伝達物質は前膜から後膜の方向にしか機能できず、シナプス伝達は必ず一方向となる。
シナプスが一方向にしか伝達できない理由を、構造の観点から説明しなさい。
解答: シナプス小胞はシナプス前膜側にのみ存在し、神経伝達物質の受容体はシナプス後膜側にのみ存在する。そのため伝達物質は前膜から後膜の方向にしか機能できず、シナプス伝達は必ず一方向となる。
ポイント
- シナプス=前膜・間隙(20〜50 nm)・後膜の3部構成
- Ca²⁺流入→小胞エキソサイトーシス→伝達物質放出
- シナプス伝達は一方向(小胞が前膜側にのみある)
- アセチルコリン=運動神経・副交感神経
- ノルアドレナリン=交感神経末端
- ドーパミン不足=パーキンソン病
- GABA=主要な抑制性伝達物質
注意点
① シナプスでの伝達は化学的な過程。ニューロン内の伝導は電気的。② 興奮性シナプス(EPSP)と抑制性シナプス(IPSP)の区別。③ 有機リン酸農薬はコリンエステラーゼを阻害してアセチルコリンを分解できなくする。
練習
- シナプス前膜で神経伝達物質の放出を引き起こすイオンは何か。
- 主要な抑制性神経伝達物質の名称(略称可)を答えなさい。
- パーキンソン病と関係する神経伝達物質は何か。