群集と生態遷移
ある地域に生息する全生物種の集まりを群集といいます。群集の構成は時間とともに変化し、この変化を遷移(サクセッション)といいます。
基本知識
群集の構造: 優占種(最も現存量が多い種)・キーストーン種(少ない個体数でも大きな生態的影響)・階層構造(森林: 高木・亜高木・低木・草本・コケ)。
生態遷移: 一次遷移=裸地・溶岩台地など土壌なしから。裸地→地衣類・コケ類→草原→低木林→陽樹林→混交林→陰樹林(極相)。二次遷移=山火事・伐採後など土壌・種子残存から。一次より速い。極相(クライマックス)=遷移の最終安定状態。
陽樹vs陰樹: 陽樹(先駆種)=強光を好む・成長速い・遷移初期優占(例: アカマツ・シラカバ)。陰樹=弱光でも生育・成長遅い・極相優占(例: シイ・カシ・ブナ)。
光補償点=光合成量=呼吸量の光強度(陰樹は低い)。光飽和点=光合成が飽和する光強度(陽樹は高い)。
例題
一次遷移でなぜ陰樹林(極相)に達すると遷移が止まるのかを、陽樹と陰樹の光要求性の違いから説明しなさい。
解答: 陰樹林の林冠は光を遮るため林床の光は弱い。陽樹の稚樹は光補償点が高く弱光では生育できないが、陰樹の稚樹は光補償点が低く弱光でも生育できる。そのため林床で陰樹の稚樹のみが成長でき、世代交代してもずっと陰樹林が維持され、これが極相となる。
一次遷移でなぜ陰樹林(極相)に達すると遷移が止まるのかを、陽樹と陰樹の光要求性の違いから説明しなさい。
解答: 陰樹林の林冠は光を遮るため林床の光は弱い。陽樹の稚樹は光補償点が高く弱光では生育できないが、陰樹の稚樹は光補償点が低く弱光でも生育できる。そのため林床で陰樹の稚樹のみが成長でき、世代交代してもずっと陰樹林が維持され、これが極相となる。
ポイント
- 一次遷移=裸地から・土壌なし・遅い
- 二次遷移=土壌残存・速い
- 極相=遷移の最終安定状態
- 陽樹=先駆種・光を強く必要(光飽和点高)
- 陰樹=極相優占・弱光でも生育(光補償点低)
- キーストーン種=少数でも大きな生態的影響
- 光補償点=光合成量=呼吸量となる光強度
注意点
① 一次遷移と二次遷移の違いは土壌の有無。② 陽樹が育って林を作ると林床が暗くなり陽樹の稚樹は育てず陰樹の稚樹が育つ(陽樹が自らを排除)。③ 極相は山火事・台風などの撹乱で二次遷移が繰り返されうる。
練習
- 生態遷移の最終安定状態を何というか。
- 一次遷移と二次遷移の違いを、始まる場所の特徴から説明しなさい。
- 陰樹が光補償点の低さによって極相で優占できる理由を説明しなさい。