高校基礎 / 地球の構造 3 / 6

地震波とその伝わり方

地震波とその伝わり方

地震が発生すると、震源から地震波が四方に伝わります。地震波は地球内部の様子を知るための重要な手がかりです。

基本知識

地震波は2種類に大別されます。
P波 (縦波・疎密波): 波の進む方向に平行に振動する。固体・液体・気体のすべてを通過できる。速度は地殻で約6〜7 km/s、マントルで約8〜12 km/s。初期微動を引き起こす。
S波 (横波・せん断波): 波の進む方向に垂直に振動する。固体のみを通過し液体・気体は通れない。速度はP波の約0.58倍(地殻で約3〜4 km/s)。主要動を引き起こす。
地震波は地球内部を伝わるとき、速度の異なる層を通過するたびに屈折反射を起こします。P波が外核(液体)を通過できる一方、S波は外核で止まるため、震源の反対側一帯にS波の影が生じます。P波も外核で速度が急変するため、P波の影(シャドーゾーン)が震源から103〜143°の範囲に出来ます。

📘 重要用語
P波(縦波。固体・液体・気体を通過。速度約6〜7 km/s(地殻))
S波(横波。固体のみ通過。速度約3〜4 km/s(地殻))
初期微動(P波到着による小さな揺れ)
主要動(S波到着による大きな揺れ)
初期微動継続時間(P波到着〜S波到着の時間差。震源距離に比例)
シャドーゾーン(震源から103〜143°の範囲。P波が届きにくい)

深掘り

地震波の速度は深さとともに変化し、その変化から地球内部の密度・弾性率が推定できます。これを地震トモグラフィーと呼ぶ手法に発展させ、マントル内部の温度構造(沈み込んだプレートの冷たい部分や、ホットスポットの熱いプルームなど)を3次元的に可視化できるようになっています。
P波の速度 V_P = √((K + 4μ/3) / ρ)、S波の速度 V_S = √(μ/ρ) で表されます(K: 体積弾性率、μ: 剛性率、ρ: 密度)。液体はせん断弾性率(μ=0)なのでS波速度がゼロ、つまり外核をS波が通れない理由が式から直接導けます。

💡 ポイント
  • P波=縦波・速い・全物質を通過
  • S波=横波・遅い・固体のみ通過
  • S波が外核を通れない→外核は液体
  • 初期微動継続時間∝震源距離
  • シャドーゾーン=103〜143°(P波)
  • 地震波の屈折・反射→内部構造解析に利用

注意点

① P波が「Primary」(先着)、S波が「Secondary」(後着)と覚えると良い。② S波は液体を通れないが、P波は液体も通れる。③ 初期微動継続時間が長い=震源が遠い、を混同しない。④ シャドーゾーンはP波・S波ともに存在するが範囲が異なる。

練習

  1. S波が外核を通過できない理由を答えなさい。
  2. 初期微動継続時間が長いほど、震源はどうなるか。
  3. P波のシャドーゾーンは震源から何度〜何度の範囲か。
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このレッスンのQ&A

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