高校基礎 / 大気と海洋の構造 1 / 6

大気の組成と層構造

大気の組成と層構造

地球を包む大気は単純な混合気体ではなく、高度によって気温・組成・性質が大きく異なる層構造をもっています。

基本知識

大気の組成(乾燥空気):
・窒素(N₂): 約78%
・酸素(O₂): 約21%
・アルゴン(Ar): 約0.93%
・二酸化炭素(CO₂): 約0.04%(420 ppm, 2024年現在増加中)
・その他: ネオン, ヘリウム, メタン, 水蒸気(変動)
大気の層構造( 気温の高度変化パターンで分類):
対流圏(0〜約12 km): 気温は高度とともに低下(気温減率約6.5℃/km)。水蒸気・雲・雨など天気現象が起きる。対流が活発。
成層圏(約12〜50 km): オゾン層(約20〜30 km)が紫外線を吸収して気温が上昇。対流せず安定。航空機が飛ぶ高度の上限。
中間圏(約50〜80 km): 気温が再び低下。大気中で最も気温が低い層(約-90℃)。流れ星が見える高度。
熱圏(約80 km〜): 太陽放射で気温が急上昇(数百〜千℃以上)。ただし空気が薄く熱容量は小さい。オーロラが発生。国際宇宙ステーション(約400 km)が飛ぶ高度。

📘 重要用語
対流圏(0〜12 km。気温低下・天気現象・対流)
成層圏(12〜50 km。オゾン層・気温上昇・安定)
中間圏(50〜80 km。気温低下・大気最低温)
熱圏(80 km〜。気温急上昇・オーロラ・ISS)
オゾン層(成層圏20〜30 km。紫外線吸収)
気温減率(対流圏での高度上昇に伴う気温低下率。約6.5℃/km)

深掘り

成層圏のオゾン(O₃)は太陽の紫外線(UV-B)を吸収することで地表の生命を守っています。1970〜80年代からフロン類(CFC)によるオゾン破壊が問題となり、南極上空にオゾンホールが形成されました。1987年のモントリオール議定書でCFCの生産・使用が規制され、近年は回復傾向にあります。
対流圏の気温減率は平均6.5℃/kmですが、標準大気(乾燥断熱減率=9.8℃/km)より小さい。これは水蒸気の凝結時に放出される潜熱が冷却を緩めるためです。
熱圏は温度が高いと言っても分子が少なく熱容量が極めて小さいため、そこに体を置いても熱く感じません(真空に近い)。衛星が感じる「温度」は太陽放射の直接加熱です。

💡 ポイント
  • 大気組成: N₂(78%) O₂(21%) Ar(0.93%) CO₂(0.04%)
  • 4層: 対流圏→成層圏→中間圏→熱圏
  • 気温変化: 低下→上昇→低下→上昇
  • 対流圏=天気の層 / 成層圏=オゾン層
  • 中間圏=最低温(-90℃) / 熱圏=オーロラ・ISS
  • オゾン破壊=フロン。モントリオール議定書(1987)で規制

注意点

① 対流圏→成層圏→中間圏→熱圏の順序と、各層での気温変化(低下・上昇・低下・上昇)をセットで覚える。② オゾン層は成層圏(対流圏ではない)にある。③ 熱圏の「高温」は分子の運動エネルギーが高いという意味で、実際に熱いわけではない(分子が少ない)。

練習

  1. 乾燥大気の主成分3つとその割合を答えなさい。
  2. 大気の4層を下から順に答えなさい。
  3. オゾン層が存在する層の名前と、オゾン層の役割を答えなさい。

このレッスンのQ&A

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