高校発展 / 体内環境の維持 (恒常性とホルモン) 4 / 6

副腎皮質ホルモンとストレス応答

副腎皮質ホルモンとストレス応答

副腎は皮質と髄質からなる内分泌腺で、ストレス応答・電解質・糖代謝を制御します。副腎皮質ホルモン(ステロイド)の種類と作用を整理しましょう。

基本知識

副腎の構造:
副腎皮質: 球状層・束状層・網状層の3層。コレステロールを原料にステロイドホルモンを合成。
副腎髄質: クロム親和性細胞。交感神経支配でカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を分泌。

副腎皮質ホルモンの3系統:
糖質コルチコイド(コルチゾール・コルチコステロン): 束状層から分泌。
 ・糖新生促進(タンパク質・脂質→グルコース)→血糖上昇
 ・抗炎症・免疫抑制作用(強力)
 ・ストレス応答の中心ホルモン。
 ・分泌調節: 視床下部(CRH)→脳下垂体前葉(ACTH)→副腎皮質(コルチゾール)、負のフィードバックあり。
鉱質コルチコイド(アルドステロン): 球状層から分泌。
 ・腎臓の集合管でNa再吸収増加・K排泄増加→血圧上昇・体液量増加。
 ・レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)で調節。
副腎アンドロゲン(DHEA): 網状層から分泌。性ホルモンの前駆体。

ストレス応答(HPA軸): ストレス刺激→視床下部CRH増加→下垂体ACTH増加→副腎皮質コルチゾール増加→血糖上昇・抗炎症・免疫抑制で緊急対応。慢性ストレスでコルチゾールが高値持続→免疫低下・骨粗鬆症・高血糖など。

例題: 急性ストレス(例: 試験前)に副腎皮質からコルチゾールが分泌されることの生理的意義を説明しなさい。また、慢性ストレスで免疫が低下する機序を述べなさい。

解答: 急性ストレス時にコルチゾールが分泌される意義: コルチゾールは糖新生を促進して血糖を上昇させ、筋肉・脳への緊急エネルギー供給を確保する。また抗炎症作用で組織損傷に対する過剰な炎症反応を抑制し、ストレスへの即応体制を整える。慢性ストレスで免疫低下する機序: コルチゾールが長期間高値を維持すると、T細胞・B細胞・NK細胞の増殖・活性化が抑制され、インターロイキンなどのサイトカイン産生も低下する。また胸腺が萎縮しリンパ球の産生そのものが減少するため、感染症やがんへの抵抗力が低下する。
ポイント
  • 副腎皮質=ステロイドホルモン産生(コレステロール原料)
  • 糖質コルチコイド(コルチゾール)=糖新生上昇・抗炎症・免疫抑制
  • 鉱質コルチコイド(アルドステロン)=腎臓Na再吸収上昇・血圧上昇
  • HPA軸=視床下部(CRH)→下垂体(ACTH)→副腎皮質(コルチゾール)
  • 副腎髄質=アドレナリン分泌(ペプチド性カテコールアミン)
  • 慢性ストレス=コルチゾール慢性高値→免疫抑制・骨粗鬆症

練習

  1. アルドステロンが腎臓に作用して血圧を上げる仕組みを説明しなさい。
  2. 合成糖質コルチコイド(プレドニゾロン)が抗炎症薬として使われる理由を述べなさい。
  3. HPA軸の負のフィードバックが破綻するとどのような疾患が起きるか例を挙げなさい。
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このレッスンのQ&A

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