高校発展 / 太陽と恒星の進化 5 / 6

恒星の距離・等級・色と温度

恒星の距離・等級・色と温度

恒星の距離測定と等級の体系は天文学の定量的基礎です。色(スペクトル)から温度を知ることで物理的性質を引き出せます。

基本知識

年周視差は地球が公転する際に近い恒星が遠い星に対して見かけ上移動するずれ角で、視差 p[秒角] の逆数がパーセク(pc)という距離単位です(1pc = 3.26光年 ≈ 3.09×10¹³ km)。もっとも近い恒星ケンタウルス座αは約1.3pc。
見かけの等級(m)は地球から観測した明るさで、距離に依存します。絶対等級(M)は10pcの距離に置いたときの明るさで恒星本来の光度を示します。距離係数: m − M = 5 log₁₀(d/10)(d:pc)。
恒星の色と表面温度は密接に対応します(ウィーンの変位則):表面温度が高い→青白い(O・B型)、低い→赤っぽい(M型)。スペクトルの吸収線パターンから化学組成も分かります。

📘 重要用語
年周視差(地球公転による近傍星の見かけの移動。半年間のずれ角の半分が視差p)
パーセク(pc)(視差1秒角の距離 = 3.26光年。1kpc = 1000pc)
見かけの等級(m)(地球から見た明るさ。5等差=100倍・1等差=100^(1/5)≈2.512倍)
絶対等級(M)(10pc に置いたときの等級。恒星の実際の光度を反映)
距離係数(m - M = 5 log₁₀(d/10)。距離d[pc]と等級の関係)
ウィーンの変位則(λmax × T = 定数 ≈ 2.9×10⁻³ m·K。高温→短波長→青白)

深掘り (背景・意義)

距離の測定は天文学において「距離はしご」として階層的に行われます。① 年周視差(〜数千pc)→ ② セファイド変光星の周期-光度関係(銀河内外)→ ③ Ia型超新星(数10億光年以上)→ ④ ハッブルの法則(宇宙規模)。
スペクトル型「Oh, Be A Fine Girl/Guy, Kiss Me」(O-B-A-F-G-K-M)という語呂合わせで覚えます。太陽はG型(黄白色)で「おまけ」として太陽型と呼ばれることも。
光度-質量関係(L ∝ M³·⁵ 主系列近似)から、明るい星ほど重く短命と分かります。最も明るいO型超巨星は太陽の10⁶倍以上の光度を持ちますが寿命は数百万年に過ぎません。

💡 ポイント
  • 1pc = 3.26光年、視差p[秒角]の逆数がpc距離
  • 等級:1等差≈2.512倍、5等差=100倍
  • 絶対等級=10pcに置いた場合の等級
  • 距離係数:m - M = 5 log(d/10)
  • ウィーンの変位則:高温→青白・低温→赤
  • スペクトル型:O-B-A-F-G-K-M(高温→低温)
  • 距離はしご:視差→セファイド→超新星→ハッブル

注意点 (混同しやすい)

見かけの等級(距離依存)と絶対等級(固有光度)を混同しない。② 等級の数値が小さいほど明るい(逆数的な定義)。③ 年周視差は半年間のずれ角の半分が視差 p。④ ウィーンの変位則で高温→短波長→青(赤熱→白熱と同じ方向)。

練習

  1. 年周視差 p = 0.1秒角の星はおよそ何pcか。
  2. 絶対等級が示す明るさとは、何pcに置いたときの等級か。
  3. スペクトル型 M 型の恒星の色は何色か。
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このレッスンのQ&A

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