高校基礎 / 太陽系と地球の歴史 5 / 6

大量絶滅と生命の進化

大量絶滅と生命の進化

地球の歴史では5回の大量絶滅が知られています。大量絶滅は壊滅的な破壊をもたらしますが、同時に新たな生態系の多様化を促す進化の契機でもありました。

基本知識

「ビッグファイブ」と呼ばれる5大大量絶滅:
オルドビス紀末(約4.4億年前): 寒冷化・海退。海洋生物の約85%が絶滅。
デボン紀末(約3.7億年前): 海洋無酸素事変。海洋生物の約75%が絶滅。
ペルム紀末(P-T境界)(約2.5億年前): 史上最大。全種の約96%が絶滅。原因:シベリアの大規模火山活動によるCO₂放出・温暖化・海洋無酸素化。
三畳紀末(約2億年前): 約76%の種が絶滅。恐竜が台頭し始める契機。
白亜紀末(K-Pg境界)(約6600万年前): 恐竜・アンモナイトが絶滅。原因:メキシコ・ユカタン半島への巨大隕石衝突(チクシュルーブ・クレーター)+火山活動。この絶滅後に哺乳類が急速に多様化した。
現在、人間活動による第6の大量絶滅が進行中とも言われています。

📘 重要用語
P-T境界(ペルム紀/三畳紀境界。約2.5億年前。史上最大の大量絶滅)
K-Pg境界(白亜紀/古第三紀境界。約6600万年前。恐竜絶滅)
チクシュルーブ・クレーター(K-Pg境界の隕石衝突跡。メキシコ・ユカタン半島)
イリジウム異常(K-Pg境界層に隕石由来のイリジウムが濃集している証拠)
海洋無酸素事変(海洋深部の酸素が枯渇した状態。複数の大量絶滅に関与)
適応放散(大量絶滅後の空いたニッチに多様な種が進化・分化すること)

深掘り (背景・意義)

恐竜絶滅の証拠は1980年代にアルバレス父子が白亜紀末の地層(K-Pg境界)にイリジウムが異常に多く含まれることを発見したことから始まりました。イリジウムは地球表面には少ないが宇宙起源の隕石に多い元素です。後にチクシュルーブ・クレーター(直径約180km)が発見されて隕石衝突説が確立しました。
衝突の影響: 隕石衝突→大量の塵が大気に拡散→太陽光遮断(衝突の冬)→光合成停止→食物連鎖崩壊→大量絶滅。これはインド・デカン高原の大規模火山活動が重なったことで被害が増幅されたとも考えられています。
大量絶滅は生命の多様性を一時的に激減させますが、その後の適応放散によって新しい生態系が構築されます。恐竜絶滅後、哺乳類は約6600万年で数千種類にまで多様化しました。「絶滅は終わりではなく始まり」という視点が重要です。

💡 ポイント
  • 5大大量絶滅(ビッグファイブ)を知る
  • P-T境界=最大絶滅96%・シベリア火山活動
  • K-Pg境界=恐竜絶滅・隕石衝突
  • 証拠=イリジウム異常+チクシュルーブ・クレーター
  • 衝突の冬=塵で太陽光遮断→光合成停止
  • 絶滅後=適応放散で新たな多様性
  • 現在=第6の大量絶滅が進行中とも

注意点 (混同しやすい)

① 最大の大量絶滅はP-T境界(古生代末)。恐竜が絶滅したK-Pg境界と混同しない。② イリジウム異常はK-Pg境界の証拠であって、P-T境界の証拠ではない。③ 恐竜が絶滅したのは中生代末(白亜紀末)。古生代末ではない。④ 隕石衝突は「K-Pg境界」だけの説明に使われる。

練習

  1. 史上最大の大量絶滅が起きた境界の名称(略称)を答えなさい。
  2. 白亜紀末の隕石衝突の証拠を2つ挙げなさい。
  3. 大量絶滅後に多様な種が爆発的に進化することを何というか。
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このレッスンのQ&A

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