高校 / 法と政治のしくみ 5 / 6

選挙と政治参加

選挙と政治参加

選挙は民主主義の根幹をなす制度であり、国民が政治に参加する最も基本的な手段です。日本では2016年から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、若者の政治参加がより重要になっています。

基本知識

日本の選挙制度は小選挙区制比例代表制を組み合わせた制度を採用しています。衆議院は小選挙区比例代表並立制(小選挙区289議席+比例代表176議席)、参議院は選挙区制比例代表制の組み合わせです。小選挙区制は1選挙区から1名を選出する制度で、二大政党制を生みやすく政権が安定しやすいが、死票が多くなる欠点があります。比例代表制は得票率に応じて議席を配分する制度で、民意が反映されやすいが、小党乱立になりやすいとされます。一票の格差問題は、選挙区によって議員一人当たりの有権者数が異なり、投票価値が不平等になる問題で、最高裁は繰り返し「違憲状態」の判決を出しています。2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が25歳以上→18歳以上に引き下げられ、2016年の参議院選挙から適用されました。

📘 重要用語
小選挙区制(1選挙区1名選出。二大政党制になりやすく死票が多い)
比例代表制(得票率に応じて議席配分。民意反映しやすく小党乱立の傾向)
一票の格差(選挙区間で議員一人当たりの有権者数が異なる問題)
18歳選挙権(2015年公職選挙法改正。2016年参院選から適用)
世論(社会の多数が共有する意見。メディアや世論調査で形成・測定される)
普通選挙(財産・性別・学歴など関係なく一定年齢以上の全員に選挙権を認める原則)

深掘り (背景・意義)

選挙は「平等選挙・普通選挙・直接選挙・秘密選挙・自由選挙」の五原則に基づいて実施されます。日本では戦後に男女平等の普通選挙が実現しましたが、女性の政治参加(国会議員の割合)は国際的に見てまだ低い水準にあります。世論形成においてはテレビ・新聞・SNSなどのメディアの役割が大きく、情報リテラシーが求められます。また政治家と有権者の意見仲介機能を担う圧力団体政党の役割も重要です。若者の投票率低下が問題となっており、18歳選挙権の導入はその対策の一つとして位置づけられています。政治参加には選挙のほか、デモ・請願・SNSでの発信など多様な形があります。

💡 ポイント
  • 選挙の五原則:普通・平等・直接・秘密・自由選挙
  • 衆議院:小選挙区289+比例代表176=計465議席
  • 小選挙区の利点=政権安定、欠点=死票増加・民意が反映されにくい
  • 比例代表の利点=民意反映、欠点=小党乱立・連立政権になりやすい
  • 18歳選挙権は2015年改正・2016年参院選から適用(旧25歳以上ではなく20歳以上から18歳以上へ)
  • 一票の格差問題は最高裁が繰り返し違憲状態と判断
  • 衆議院比例代表はドント式で議席配分

注意点 (混同しやすい)

選挙権年齢の変遷:20歳以上→18歳以上(2015年改正)。被選挙権は衆議院25歳以上、参議院・知事は30歳以上のまま変わらない。② 小選挙区比例代表の特徴を逆に覚えない:小選挙区は死票多・二大政党制、比例代表は民意反映・小党乱立。③ 一票の格差は「投票価値の平等」の問題であり、憲法第14条の法の下の平等に関わる。④ 世論調査の数字は政治に影響を与えるが、世論と真の民意は必ずしも一致しない点に注意。

練習

  1. 小選挙区制と比例代表制のそれぞれの長所と短所を比較してください。
  2. 「一票の格差」問題とは何ですか。どの憲法原則に反するとされているか説明してください。
  3. 2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が引き下げられた背景と、若者の政治参加に対して期待される効果を述べてください。
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