中国周辺 / 朝鮮・ベトナムと東アジア世界 4 / 6

冊封体制と朝貢

冊封体制と朝貢

東アジアでは中国を頂点とする独自の国際秩序が形成されていました。これを冊封体制(さくほうたいせい)・朝貢体制と呼びます。近代ヨーロッパの「主権平等」とは根本的に異なる秩序です。

冊封とは

冊封とは中国の皇帝が周辺国の君主に「王」の称号・印章・暦を授け、その地位を公認することです。冊封を受けた国は中国の「藩属国」とみなされ、朝貢の義務を負いました。

  • 冊封の内容:王号の授与(例:「朝鮮国王」「日本国王」)・印綬・暦の下賜
  • 冊封の意義:中国側は自国の覇権を確認、周辺国は正統性・貿易機会を得る
  • 朝貢:周辺国の使節が貢物を持参して皇帝に拝礼する儀式
📘 朝貢体制の実態と参加国
朝貢体制の参加国:朝鮮・ベトナム・琉球・日本(一部時期)・東南アジア諸国・中央アジア諸国など
朝貢貿易:朝貢品に対し中国が豊かな返礼品を与えるため、周辺国にとっては実質的な「利益のある貿易」
琉球:明代に中継貿易で繁栄。日本・中国・東南アジアを結ぶ貿易の要衝
・日本:室町幕府(足利義満)が明に朝貢し「日本国王」の称号を受ける(勘合貿易・1404〜1547年)
・ベトナム:冊封を受けながらも内政は独立を保ち、国内では「皇帝」を称するという「二重外交」を行った

冊封体制の崩壊

19世紀に西洋列強がアジアに進出すると、主権平等の近代国際法秩序が冊封体制を侵食しました。1876年の日朝修好条規(朝鮮が中国の藩属でなく「自主の国」と規定)、1895年の日清戦争(清が朝鮮への宗主権を放棄)などにより冊封体制は実質的に崩壊しました。

練習

  1. 中国の皇帝が周辺国の君主に王号・印章・暦を授け地位を公認する制度を何というか。
  2. 室町幕府の将軍で明に朝貢し「日本国王」の称号を受けた人物は誰か。
  3. 冊封体制が19世紀に崩壊した主な原因を答えよ。
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