産業革命と資本主義の確立
18世紀後半、イギリスで始まった技術革新は社会のあり方を根本から変えました。世界はこの変化を「産業革命」と呼びます。
基本知識
18世紀後半、イギリスで産業革命が始まりました。きっかけは綿工業で、1733年ジョン・ケイの飛び杼、1764年ハーグリーブズのジェニー紡績機、1769年アークライトの水力紡績機、1779年クロンプトンのミュール紡績機、1785年カートライトの力織機と機械が次々発明されます。動力革命では1769年ジェームズ・ワットが蒸気機関を実用化(改良)し、工場制機械工業が一気に広がりました。交通革命では1804年トレヴィシックの蒸気機関車、1814年スティーブンソンの改良型、1825年ストックトン・ダーリントン間鉄道開通、1807年フルトンの蒸気船(米)が登場しました。
1733年 飛び杼(ジョン・ケイ)
1764年 ジェニー紡績機(ハーグリーブズ)
1769年 水力紡績機(アークライト)/蒸気機関改良(ワット)
1779年 ミュール紡績機(クロンプトン)
1785年 力織機(カートライト)
1807年 蒸気船(フルトン・米)
1814/1825年 蒸気機関車・鉄道(スティーブンソン)
深掘り (背景・影響)
イギリスで産業革命が最初に起きた理由は、(1)豊富な石炭・鉄鉱石、(2)市民革命による安定した政治、(3)植民地市場と原料供給、(4)農業革命による労働力供給、(5)資本蓄積などが揃っていたためです。工業化は都市化(マンチェスター・バーミンガムの急成長)、労働者階級の発生、長時間労働・児童労働・低賃金などの社会問題を生み、1811-17年ラダイト運動(機械打ち壊し)、1830年代以降チャーティスト運動(普通選挙要求)が起こりました。一方でマルクス(『資本論』1867)・エンゲルスらは社会主義を提唱、1848年には『共産党宣言』が発表されます。アダム・スミス『国富論』(1776)の自由放任主義も近代経済学の出発点となりました。
- 産業革命はイギリスで18世紀後半に開始
- 蒸気機関の改良=ジェームズ・ワット(1769)
- 蒸気機関車=スティーブンソン(1814改良)
- ラダイト運動=1811-17、機械打ちこわし
- チャーティスト運動=1830-50年代、普通選挙要求
- 『国富論』=アダム・スミス(1776)
- 『資本論』=マルクス(1867)、『共産党宣言』=1848
注意点 (混同しやすい)
① 紡績機が複数あるので発明者・年代を整理:飛び杼(ケイ)→ジェニー(ハーグリーブズ)→水力(アークライト)→ミュール(クロンプトン)→力織機(カートライト)。② ワットの蒸気機関(1769改良)は新発明ではなく改良。最初の実用化はニューコメン(1712)。③ ラダイト運動(機械打ちこわし・経済闘争)とチャーティスト運動(普通選挙・政治運動)を区別。④ 第1次産業革命(18-19世紀・蒸気)と第2次産業革命(19世紀末・電気・石油・鉄鋼)を区別。
練習
- 産業革命が最初に始まった国とその時期を答えよ。
- 1769年に蒸気機関を改良し産業革命を加速させた人物は誰か。
- 1867年に『資本論』を著した思想家は誰か。