南北戦争とアメリカの発展
独立後のアメリカは奴隷制をめぐり国を二分する戦争を経験。これを克服した米国は19世紀末に世界一の工業国に成長します。
基本知識
19世紀のアメリカは西部開拓(西進運動)を進めました。1803年に仏からルイジアナ買収、1819年にスペインからフロリダ獲得、1846-48年米墨戦争でカリフォルニア・テキサス等獲得、1867年に露からアラスカ買収(720万ドル)。明白な天命(マニフェスト・デスティニー)の名のもとに先住民(インディアン)は追放されました(涙の道1838等)。1848年カリフォルニアで金発見→ゴールドラッシュ。一方、北部の工業と南部の奴隷制プランテーション(綿花)の対立が深まり、1860年に共和党のリンカーン大統領当選を契機に南部11州が連邦離脱、1861年4月に南北戦争勃発。
1803年 ルイジアナ買収(仏ナポレオン)
1823年 モンロー宣言(孤立主義・米欧不干渉)
1846-48年 米墨戦争→カリフォルニア等獲得
1861-65年 南北戦争
1863年 奴隷解放宣言、ゲティスバーグ演説
1865年4月 南軍降伏、リンカーン暗殺
1867年 アラスカ買収
1869年 大陸横断鉄道完成
1898年 米西戦争→海外帝国化
深掘り (背景・影響)
1863年1月1日、リンカーンは奴隷解放宣言を発布(反乱州の奴隷のみ対象)。1863年7月ゲティスバーグの戦いで北軍が勝利、リンカーンは11月の戦死者追悼演説で「人民の、人民による、人民のための政治」(government of the people, by the people, for the people)を訴えました。1865年4月9日に南軍リー将軍が降伏、5日後にリンカーンは暗殺されます。戦後、合衆国憲法修正第13条(奴隷制廃止)、修正第14条(市民権)、修正第15条(投票権)が制定。1865年以降、米国は急速な工業化を遂げ1894年に世界一の工業国に。移民(アイルランド・ドイツ・東欧・中国・日本)も増加し、1869年には大陸横断鉄道が完成しました。19世紀末にはカーネギー(鉄鋼)・ロックフェラー(石油)・モルガン(金融)などの独占資本が登場します。
- 南北戦争=1861-65年、リンカーン大統領
- 奴隷解放宣言=1863年1月1日
- ゲティスバーグ演説=1863年11月「人民の、人民による、人民のための政治」
- 南北戦争終結=1865年4月、リー将軍降伏、リンカーン暗殺
- 合衆国憲法修正第13条=奴隷制廃止
- 大陸横断鉄道=1869年
- モンロー宣言=1823年、米欧不干渉
- 米西戦争=1898年、米の海外進出
注意点 (混同しやすい)
① 南北戦争は北部(自由州・工業・保護関税・共和党リンカーン)と南部(奴隷州・農業・自由貿易・民主党)の対立。北が勝利。② 奴隷解放宣言(1863・大統領令)と修正第13条(1865・憲法改正)を区別。③ ゲティスバーグ演説の「人民の、人民による、人民のための政治」はリンカーンが造った言葉ではなく、宗教改革者ジョン・ウィクリフから受け継がれた表現。④ アメリカが「明白な天命」を口実に拡張したのは1840年代。
練習
- 南北戦争中の1863年1月1日に発布された宣言の名称は。
- 「人民の、人民による、人民のための政治」を述べた演説は。
- 南北戦争が終結し合衆国全土で奴隷制が廃止されたのは何年か。