高校基礎 / 物質と化学結合 4 / 6

金属結合と金属の性質

金属結合と金属の性質

金属の原子どうしは、自由電子を介して結びつく金属結合を形成します。金属の特徴的な性質はすべてこの結合から説明できます。

基本知識

金属原子はイオン化エネルギーが小さいため、最外殻電子を放出して陽イオンになりやすい性質があります。金属が集まると、各原子から放たれた電子が原子全体に共有され、金属イオン(陽イオン)の中を自由電子として動き回ります。この結合形式が金属結合です。
金属に共通する性質(金属の3大性質+α):
電気伝導性: 自由電子が動くので電気をよく通す。
熱伝導性: 自由電子が熱エネルギーも運ぶ。
金属光沢: 自由電子が光をよく反射する。
展性(薄く広げられる)・延性(細く長く伸ばせる): 原子の位置がずれても自由電子が結合を保つため。
金属の集合体は金属結晶と呼ばれ、面心立方格子(Cu, Al, Ag, Au)、体心立方格子(Fe(常温), Na, K)、六方最密構造(Mg, Zn)などの規則的な配列をとります。

📘 重要用語
金属結合(金属イオンと自由電子による結合)
自由電子(金属内を自由に動き回る電子。各種の伝導性を担う)
展性・延性(薄く広げられる/細長く伸ばせる性質)
金属光沢(自由電子が光を反射することによる輝き)
合金(複数の金属またはCなどを混ぜたもの。性質を改良)
金属結晶(面心立方・体心立方・六方最密などの規則配列)

深掘り (背景・意義)

金属の物性は身近な技術と直結します。
電気配線: 銅Cu(導電性高い・比較的安い)、海底ケーブルや精密機器は金Auも使用。
鍋・調理器具: アルミニウムAl(熱伝導性高・軽量)、ステンレス(さびにくい合金)。
建材: 鉄Fe(強度高い)、ステンレス(耐食性)。
装飾: 金Au・銀Ag・プラチナPt(美しい光沢・耐食性)。
合金は単体の金属の弱点を補うために作られます。
鋼(はがね): 鉄+少量の炭素。硬く強い。建築・自動車。
ステンレス鋼: Fe+Cr(+Ni)。さびにくい。
黄銅(しんちゅう、ブラス): Cu+Zn。金管楽器・5円硬貨。
青銅(ブロンズ): Cu+Sn。銅像・10円硬貨。
ジュラルミン: Al+Cu+Mg+Mn。軽くて強い。航空機。
ニクロム: Ni+Cr。電気抵抗が大きい。電熱線。
アマルガム: 水銀Hgと他金属の合金。歯科治療(現在は減少)。
水銀Hgは常温で液体の唯一の金属、タングステンWは融点が最も高い(電球フィラメント・LEDが普及して減少)。

💡 ポイント
  • 金属結合=金属イオン+自由電子
  • 金属の特性: 電気伝導・熱伝導・金属光沢・展延性
  • 位置がずれても自由電子で結合を保つ→展性・延性
  • 金属結晶: 面心立方(Cu,Al)、体心立方(Fe,Na)、六方最密(Mg,Zn)
  • 合金で性質を改良(鋼・ステンレス・黄銅・青銅)
  • 導電性: Ag > Cu > Au > Al > Fe
  • 水銀Hgは常温液体、タングステンWは融点最高

注意点 (混同しやすい)

イオン結合(金属イオン+陰イオン)と金属結合(金属イオン+自由電子)を混同しない。② 純金属の融点は様々(水銀-39℃〜タングステン3422℃)。金属だから融点が高いとは限らない。③ 展性(平面に広がる、Au箔)と延性(線状に伸びる、Cu線)を区別。④ 合金は混合物(化合物ではない)。組成比は連続的に変えられる。

練習

  1. 金属が電気をよく通す理由を、自由電子を用いて説明しなさい。
  2. 展性と延性の違いを答えなさい。
  3. 鋼(はがね)はどんな成分でできた合金か。
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このレッスンのQ&A

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