高校基礎 / 酸と塩基 5 / 6

中和滴定と量的関係

中和滴定と量的関係

酸または塩基の濃度を、もう一方の濃度のわかっている液で測定する操作が中和滴定です。

基本知識

中和滴定の基本式 (量的関係) は次のようになります。
酸の価数 × 酸のモル濃度 × 酸の体積 = 塩基の価数 × 塩基のモル濃度 × 塩基の体積
記号で書くと: a・ca・Va = b・cb・Vb
(a, b: 価数, c: mol/L, V: L)
例: 0.10 mol/L HCl 20.0 mL を中和するのに必要な 0.10 mol/L NaOH の体積は?
1×0.10×20 = 1×0.10×Vb → Vb = 20 mL
使う器具: ホールピペット(正確に液を取る)、ビュレット(滴下量を測る)、コニカルビーカーメスフラスコ(希釈)。指示薬で変色点(中和点付近)を読み取ります。

📘 重要用語
中和滴定(既知濃度の液で未知濃度の液の濃度を求める操作)
ビュレット(滴下量を 0.05 mL 単位で読み取る器具)
ホールピペット(一定体積の液を正確に取る器具)
メスフラスコ(一定体積の溶液を作る器具。希釈に使用)
中和点(酸と塩基の物質量が過不足なく反応する点)
滴定曲線(加えた塩基(酸)の体積に対する pH のグラフ。中和点付近で急変)

深掘り (背景・意義)

指示薬の選び方は中和点の pHで決まります。
強酸 + 強塩基: 中和点 pH ≒ 7。BTBメチルオレンジフェノールフタレインいずれも使える。
弱酸 + 強塩基 (CH3COOH + NaOH): 中和点 pH > 7。フェノールフタレインを使う。
強酸 + 弱塩基 (HCl + NH3): 中和点 pH < 7。メチルオレンジを使う。
弱酸 + 弱塩基: 滴定曲線が急変しないため、中和滴定には適しない。
器具の取り扱いでは、共洗い(ホールピペット・ビュレットは中の液で洗う)、純水洗い(コニカルビーカー・メスフラスコは水だけ)の区別がよく問われます。

💡 ポイント
  • 中和の量的関係: a・ca・Va = b・cb・Vb
  • 価数 × 濃度 × 体積 が両辺で等しい
  • 強酸+強塩基の中和点 pH ≒ 7
  • 弱酸+強塩基の中和点 pH > 7 → フェノールフタレイン
  • 強酸+弱塩基の中和点 pH < 7 → メチルオレンジ
  • 共洗い: ホールピペット・ビュレット
  • 純水洗い: コニカルビーカー・メスフラスコ

注意点 (混同しやすい)

① 中和滴定の式は必ず価数を含める。H2SO4 なら a=2。② 中和点とpH=7は同じではない。弱酸+強塩基の中和点は pH > 7。③ 共洗いと純水洗いを逆にしない。コニカルビーカーを共洗いすると溶質量が変わってしまう。④ ビュレットの目盛りは下向きに増える。最初の読みと最後の読みの差が滴下量。

練習

  1. 0.10 mol/L H2SO4 10 mL を 0.10 mol/L NaOH で中和するには何 mL 必要か。
  2. 濃度不明の HCl 20 mL を 0.10 mol/L NaOH 25 mL でちょうど中和した。HCl のモル濃度を求めなさい。
  3. 酢酸を NaOH で滴定する場合、適した指示薬を答えなさい。
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このレッスンのQ&A

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