生態系の保全とSDGs
持続可能な社会を実現するには、生態系を守りつつ人間活動を続ける工夫が必要です。SDGs(持続可能な開発目標)はその国際的指針です。
基本知識
生態系サービス: 生態系が人間に提供する恵み。
① 供給サービス(食料・木材・水)
② 調整サービス(気候調節・水質浄化・洪水緩和)
③ 文化的サービス(レクリエーション・観光・精神的価値)
④ 基盤サービス(光合成・物質循環・土壌形成)
保全の取り組み:
・保護区: 国立公園・自然環境保全地域・ラムサール条約登録湿地・世界自然遺産(屋久島・知床・小笠原・奄美など)。
・絶滅危惧種の保護: トキの繁殖、コウノトリの放鳥、イリオモテヤマネコ保護など。
・外来種の防除: マングース・オオクチバスなどの駆除。
・里山の保全: 人間が手入れすることで維持される二次的自然。生物多様性が高い。
SDGs(2015年国連で採択、2030年目標)のうち環境関連の主要目標:
・目標6: 安全な水とトイレを世界中に
・目標7: エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・目標12: つくる責任つかう責任
・目標13: 気候変動に具体的な対策を
・目標14: 海の豊かさを守ろう
・目標15: 陸の豊かさも守ろう
生態系サービス(生態系が人間にもたらす恵み)
里山(人手が入って維持される二次的自然。多様性が高い)
ラムサール条約(1971年、湿地保全の国際条約)
ワシントン条約(CITES)(絶滅危惧種の国際取引規制)
世界自然遺産(ユネスコが指定する自然遺産。日本では屋久島・知床・小笠原・奄美など)
SDGs(持続可能な開発目標。2015年国連採択・2030年目標・17項目)
環境アセスメント(開発前に環境への影響を事前評価する制度)
深掘り
SDGsの17目標のうち、環境・生態系に直接関わるのは13(気候変動)・14(海)・15(陸)で、これらは「生命圏(バイオスフィア)」と呼ばれ、すべての目標の土台と位置づけられます。地球の生態系が崩れれば経済も社会も成り立たないからです。目標12(つくる責任・つかう責任)は持続可能な生産と消費を掲げ、食品ロス削減・3R(リデュース・リユース・リサイクル)・フェアトレード等が具体例です。
日本では里山が伝統的に維持してきた二次的自然が、近年の過疎化と高齢化で放棄されています。手入れがなくなった雑木林ではタケが侵入し、暗くなった林床で里山特有の植物(カタクリ・ニリンソウ)や昆虫(オオムラサキ・ホタル)が減少しています。SATOYAMAイニシアティブとして日本発の保全モデルが国際的に発信され、人と自然の共生のあり方が世界で議論されています。
- 生態系サービス=供給・調整・文化・基盤の4分類
- 里山=二次的自然・多様性が高い
- ラムサール条約1971(湿地)・ワシントン条約(絶滅種取引)
- 世界自然遺産=屋久島・知床・小笠原・奄美
- SDGsの環境関連=目標13(気候)・14(海)・15(陸)
- 目標12=つくる責任つかう責任(3R・食品ロス)
- SATOYAMAイニシアティブ=日本発の保全モデル
注意点
① ラムサール条約(湿地)・ワシントン条約(絶滅種国際取引)・生物多様性条約(全般)を区別。② SDGs目標13は気候変動、目標14は海、目標15は陸の生態系。番号と内容を対応。③ 里山は完全な自然ではなく二次的自然(人手が入って成立)。放置すれば多様性は低下する。④ 世界自然遺産と世界文化遺産を混同しない(自然遺産は自然のみが対象)。
練習
- 生態系が人間にもたらす恵みを総称して何と呼ぶか。
- SDGsの17目標のうち、陸の生態系保全を扱うのは目標何番か。
- 湿地の保全を目的とした1971年の国際条約は何か。