高校発展 / 溶液 5 / 6

相互溶解と分配

「似たものは似たものを溶かす」原則と、二相間の分配平衡について学びます。有機化学の抽出操作の基礎です。

溶解の基本は極性の一致。水(極性)はNaClや糖を、ヘキサン(無極性)は脂質や油を溶かします。互いに溶けない2相に溶質を加えると分配係数 K = c有機/c水が一定となり、これを利用するのが分液漏斗による抽出です。

重要用語・公式
極性溶媒(水, メタノール, エタノール, DMSO)
無極性溶媒(ヘキサン, ベンゼン, トルエン)
分配係数 K(K = c有機/c水)
抽出効率(小分割多数回 > 一括)
残存率((V水/(V水+KV有機))n)
クロマトグラフィー(分配の連続化分離)

原理と応用

同体積で1回抽出するより小分割複数回抽出の方が回収率が高いことが数学的に証明できます。有機反応の後処理、天然物の単離、薬物の体内動態(logP)、HPLCの分離原理 — すべて分配の応用。酸性溶質は塩基性水で水相へ、塩基性溶質は酸性水で水相へ移行するpH分配も重要技法です。

ポイント
  • 「似たものは似たものを溶かす」
  • 水と油は2相形成
  • 分配係数 K は一定温度で定数
  • 抽出は小分割多数回
  • 残存率 (V水/(V水+KV有機))n
  • 分液漏斗の使い方
  • logP=薬物の脂質親和性

間違えやすいところ

① K の定義は教科書で確認(有機/水 が一般的)。② 1回100 mL より 50 mL×2 が高効率。③ pH分配で酸性/塩基性を切り替えると移行相が逆転。④ CHCl3, CH2Cl2 は水より重く下層。

練習問題

  1. K=4 の溶質1.0 gを水100 mLに溶かし、有機溶媒100 mLで1回抽出した場合、有機相に何 gが移るか。
  2. 同条件で50 mL×2回抽出した場合の合計移行量を求め、1回抽出と比較せよ。
  3. サリチル酸を水/エーテルから塩基性水溶液で抽出すると、どちらの相に移るか。理由を述べよ。

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