電気化学の工業応用
電気化学は金属製錬・めっき・食塩電解・センサーなど、現代工業の幅広い分野を支えています。
基本知識
① 食塩電解(イオン交換膜法): NaCl水溶液を電気分解してNaOH・Cl2・H2を製造。陽極で2Cl-→Cl2+2e-, 陰極で2H2O+2e-→H2+2OH-。
② アルミニウム製錬(ホール・エルー法): ボーキサイトを精製したAl2O3を氷晶石Na3AlF6と共に融解し電気分解。
③ めっき: 亜鉛めっき(防食), クロムめっき(装飾), 金めっき(電子部品)
④ 陽極酸化: アルマイト(Alの酸化皮膜)
⑤ 燃料電池車・EV: 電気化学の総合応用
📘 重要工業プロセス
食塩電解(NaCl→NaOH+Cl2+H2)
ホール・エルー法(Al2O3融塩電解)
電気めっき(Zn, Cr, Ni, Au, Ag)
アルマイト(Al陽極酸化皮膜)
電解精錬(Cu, Ni, Zn の高純度化)
電気化学センサー(pH電極, 血糖値センサー)
食塩電解(NaCl→NaOH+Cl2+H2)
ホール・エルー法(Al2O3融塩電解)
電気めっき(Zn, Cr, Ni, Au, Ag)
アルマイト(Al陽極酸化皮膜)
電解精錬(Cu, Ni, Zn の高純度化)
電気化学センサー(pH電極, 血糖値センサー)
深掘り (原理・応用)
食塩電解のイオン交換膜は陽イオンのみを通すNa+選択膜で、陰極室で生成したNaOHが陽極室のCl2と反応するのを防ぎます。これによりNaOHの純度が大幅に向上しました(かつての水銀法・隔膜法から1970年代に切り替え)。
Al製錬は莫大な電力(1 t製造に約14,000 kWh)を必要とし、しばしば「電気の缶詰」と呼ばれます。日本ではエネルギーコスト高で国内製錬は撤退し、リサイクル(再生Alは新地金の1/30のエネルギー)が中心。これがアルミ缶リサイクルの環境意義です。
💡 ポイント
- 食塩電解=NaOH/Cl2/H2を同時製造
- イオン交換膜法=現代主流
- Al製錬=巨大電力消費
- Alリサイクル=新地金の1/30エネルギー
- めっき=防食・装飾・電子部品
- アルマイト=Al表面の硬質皮膜
- 電気化学センサー=分析機器
注意点 (混同しやすい・頻出ミス)
① NaCl水溶液電解(食塩電解)では水素が発生(Naは析出しない、イオン化傾向が大きすぎる)。② 融解NaCl電解ではNa金属が析出。③ AlはAl3+として水溶液電解では析出せず融解塩電解が必須。④ アルマイトはAl2O3の酸化皮膜。
練習
- 食塩水(NaCl水溶液)を電気分解したとき、陽極・陰極で発生する気体は何か。
- 融解NaClを電気分解したとき、陰極で生成する物質は何か。水溶液電解との違いを説明せよ。
- Alの製錬に融解塩電解が用いられる理由を説明せよ。