化学変化と電気エネルギー
化学変化のエネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置が電池(化学電池)です。電気を使って化学変化を起こすのが電気分解です。
基本知識
化学電池は2種類の金属と電解質溶液を組み合わせ、化学変化(酸化還元反応)から電気エネルギーを取り出す装置です。
代表的な電池:
① ボルタ電池(電池の原型。亜鉛板・銅板・希硫酸)
亜鉛板: Zn → Zn2+ + 2e-(酸化・負極(-) )
銅板: 2H+ + 2e- → H2(還元・正極(+))
② マンガン乾電池(乾電池の代表。日用品に広く使用)
③ 鉛蓄電池(充放電ができる二次電池。自動車バッテリー)
④ 燃料電池: 水素と酸素の反応から電気を取り出す。2H2 + O2 → 2H2O(排出物が水だけで環境にやさしい)
電解質: 水に溶けて電気を通す物質(塩化ナトリウム・硫酸・塩酸など)
非電解質: 水に溶けても電気を通さない物質(砂糖・エタノールなど)
化学電池(化学変化から電気エネルギーを取り出す装置)
電解質(水に溶けてイオンに分かれ、電気を通す物質)
ボルタ電池(亜鉛板・銅板・希硫酸で構成する最初の電池)
燃料電池(水素と酸素を反応させて電気を取り出す。排出物は水)
一次電池(充電できない電池。乾電池・アルカリ電池)
二次電池(充電して繰り返し使える電池。鉛蓄電池・リチウムイオン電池)
深掘り
電池の負極(−)では酸化が、正極(+)では還元が起こります。よりイオン化傾向が大きい金属が負極となり溶け出します(酸化される)。イオン化傾向の順(大→小): K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > (H2) > Cu > Hg > Ag > Pt > Au
ボルタ電池では Zn のイオン化傾向 > Cu のため、Zn が負極として溶け出します。
燃料電池は水素エネルギー社会の実現に向けた重要技術です。水素は燃焼させて熱にすることも、燃料電池で直接電気にすることもできます。効率は電気の方が高く、CO2 を出さないことも大きなメリットです。
- 化学電池=化学変化→電気エネルギーへの変換
- 負極(−)で酸化、正極(+)で還元
- イオン化傾向が大きい金属が負極
- 燃料電池の排出物は水のみ(クリーンエネルギー)
- 電解質=水に溶けて電気を通す(NaCl・HCl・NaOH)
- 非電解質=水に溶けても電気を通さない(砂糖・エタノール)
- 二次電池=充電できる(鉛蓄電池・リチウムイオン電池)
注意点
① 電池の負極(−)が酸化、正極(+)が還元という関係は紛らわしい。電子は負極から外部回路を通って正極へ流れる。② 一次電池(使い捨て)と二次電池(充電できる)を区別。③ 電解質は水に溶けてイオンに分かれる物質だが、金属単体は電解質ではない(ただし電気を通す)。④ 燃料電池は燃やすのではなく電気化学的に反応させる装置。
練習
- ボルタ電池の負極と正極に使う金属をそれぞれ答えなさい。
- 電解質と非電解質の違いを例を挙げて説明しなさい。
- 燃料電池の特徴を「排出物」と「エネルギー変換」の観点から説明しなさい。