高校発展 / 波動現象 4 / 6

波の回折とドップラー効果

波の回折とドップラー効果

障害物の陰にも波が回り込む回折と、波源・観測者の運動で振動数が変わるドップラー効果を学びます。

基本知識

回折 (diffraction): 波が障害物の端や隙間を通るとき、陰の領域にも広がる現象。波長が長いほど・隙間が小さいほど回折が顕著になります。

ドップラー効果 (Doppler effect): 波源または観測者が動くとき、観測する振動数が変化する現象。
音速 V、波源の振動数 f₀ のとき、観測者が聞く振動数 f:
f = f₀ × (V + vo) / (V − vs)
(vo: 観測者が波源に近づく向きを正、vs: 波源が観測者に近づく向きを正)
・波源が近づくとき: f > f₀(高く聞こえる)
・波源が遠ざかるとき: f < f₀(低く聞こえる)

📘 重要用語
回折 (diffraction)(障害物や開口部で波が広がる現象。λ が大きいほど顕著)
ドップラー効果 (Doppler effect)(波源・観測者の相対運動で観測振動数が変わる)
赤方偏移 (redshift)(遠ざかる銀河の光が低振動数・長波長側にずれる現象)
ドップラーレーダー(反射波のドップラーシフトから物体の速度を測定)
マッハ数(物体の速度 / 音速。マッハ 1 超えで衝撃波が発生)

深掘り (背景・意義)

ドップラー効果の公式の導出:波源が観測者に近づくと、前方では波が圧縮されて波長が短く(f 高く)なります。式の分母 V − vs が小さくなることに対応。
天文学では銀河のスペクトル線の赤方偏移から宇宙膨張(ハッブルの法則)が発見されました。宇宙のすべての銀河が互いに遠ざかっていることがドップラー効果から分かります。
救急車のサイレン(通過前は高く、通過後は低く聞こえる)が典型例。回折では、FM ラジオより AM ラジオ(波長が長い)の方が山の陰でも受信しやすいことが日常例です。

💡 ポイント
  • 回折は波長が長いほど・隙間が小さいほど顕著
  • ドップラー公式: f = f₀(V + vo)/(V − vs)
  • vo, vs の正方向は「波源・観測者が近づく向き」
  • 近づくと f 増加(高く)、遠ざかると f 減少(低く)
  • 赤方偏移=宇宙膨張の証拠(天文学への応用)

注意点 (混同しやすい)

① ドップラー公式の符号:vo は観測者の速度で近づく方向が正、vs は波源の速度で近づく方向が正(分母に引く)。符号を誤ると f の大小が逆になる。② 回折は「波が曲がる」のではなく「波が広がる」こと。光の回折も起こるが λ が短いため日常では見えにくい。③ ドップラー効果は音速 V を用いる。vs ≥ V(超音速)では公式が使えない(衝撃波)。

練習

  1. 静止した観測者に向かって vs = 20 m/s で近づく波源(f₀ = 500 Hz)が出す音を求めよ(音速 V = 340 m/s)。
  2. 波源が静止していて観測者が波源から遠ざかる(vo = 40 m/s)。振動数の変化を公式で表せ。
  3. 回折が「波長が長いほど顕著」な理由を、水面波のアナロジーを使って説明しなさい。
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このレッスンのQ&A

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