高校発展 / 電磁気と回路 5 / 6

電磁波とマクスウェル方程式の概要

電磁波とマクスウェル方程式の概要

変化する電場が磁場を、変化する磁場が電場を生み出す——この連鎖が光速で伝播する電磁波です。

基本知識

マクスウェルの変位電流: コンデンサーの極板間には実際の電流は流れないが、変化する電場が「変位電流」として磁場を生む。これにより電磁場方程式は完結します。

電磁波: 変化する電場と磁場が互いを誘起しながら真空中を伝播する横波。
・速度: c = 1/√(ε₀μ₀) ≈ 3.0 × 10⁸ m/s(光速)
・電場と磁場は互いに垂直かつ進行方向に垂直(横波
・周波数 f と波長 λ: c = fλ

電磁波のスペクトル(波長の長い順):
電波 → マイクロ波 → 赤外線 → 可視光 → 紫外線 → X 線 → γ 線

電磁波のエネルギー(フォトンの観点):
E = hf = hc/λ(h = 6.63 × 10⁻³⁴ J·s: プランク定数)

📘 重要用語
電磁波 (electromagnetic wave)(変化する E 場と B 場の波。真空中を c で伝播)
光速 c(c = 1/√(ε₀μ₀) ≈ 3.0 × 10⁸ m/s)
変位電流(変化する電場が磁場を作るマクスウェルの仮説)
プランク定数 h(h = 6.63 × 10⁻³⁴ J·s。光子エネルギー E = hf)
電磁波スペクトル(電波〜γ線まで連続的に並ぶ電磁波の種類)

深掘り (背景・意義)

マクスウェル(1865年)は方程式から電磁波の存在を予言し、その速度が光速と一致することから「光は電磁波である」と結論しました。その後ヘルツ(1887年)が電波を実験で確認しました。
c = 1/√(ε₀μ₀) という関係は深遠で、電気的定数と磁気的定数が光速を決めています。特殊相対性理論(アインシュタイン、1905年)はこの光速不変の原理を出発点とします。
電磁波のエネルギー E = hf は量子論の核心。可視光(f ≈ 5 × 10¹⁴ Hz)では E ≈ 2 eV、X 線では keV、γ 線では MeV 以上のエネルギーを持ち、これが生物への影響の大きさを決めます。

💡 ポイント
  • c = 1/√(ε₀μ₀) ≈ 3.0 × 10⁸ m/s
  • 電磁波: E 場・B 場・進行方向が互いに直交
  • c = fλ(光速・周波数・波長の関係)
  • スペクトル: 電波→マイクロ波→赤外→可視→紫外→X線→γ線
  • 光子エネルギー: E = hf
  • h = 6.63 × 10⁻³⁴ J·s
  • 変位電流がマクスウェル方程式を完結

注意点 (混同しやすい)

① 波長が短いほど周波数が高く、エネルギーが高い。② 電磁波は横波(進行方向に対して振動が垂直)。音波は縦波。③ γ 線と X 線の違いは発生源(γ 線は核反応、X 線は電子の減速/励起)であって波長の範囲で明確に分かれるわけではない。④ 電磁波は真空中でも伝播する(媒質不要)。

練習

  1. 波長 500 nm(= 5.0 × 10⁻⁷ m)の光の周波数と光子エネルギーを求めよ(c = 3.0 × 10⁸ m/s、h = 6.63 × 10⁻³⁴ J·s)。
  2. 電磁波スペクトルを波長の長い順に3種類以上列挙しなさい。
  3. マクスウェルが変位電流の概念を導入した理由を説明しなさい。
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このレッスンのQ&A

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