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市場経済のしくみ

市場経済のしくみ

私たちが日常的に行っている買い物や売買は、市場経済という仕組みの中で行われています。モノの値段はどのように決まるのでしょうか。需要と供給の関係から考えてみましょう。

基本知識

市場経済とは、財やサービスの価格が市場における需要と供給の相互作用によって決まる経済体制です。需要とは財・サービスを買おうとする力、供給とは売ろうとする力です。価格が上がると需要は減り供給は増え、価格が下がると需要は増え供給は減ります。需要量と供給量が一致する点を均衡価格といいます。この価格調整メカニズムを価格の自動調節機能(神の見えざる手)といい、アダム・スミスが『国富論』(1776年)で説きました。しかし市場に任せても効率的な資源配分が実現しないケースを市場の失敗といいます。独占・寡占(少数の企業が市場を支配し競争が働かない状態)、外部不経済(公害のように第三者に費用を転嫁する問題)、公共財(道路・灯台のように市場では供給されにくいもの)などが市場の失敗の典型例です。

📘 重要用語
需要(財・サービスを購入しようとする意欲と購買力の組み合わせ)
供給(生産者が財・サービスを売ろうとする量)
均衡価格(需要量と供給量が一致する価格水準)
市場の失敗(市場メカニズムが機能せず効率的な資源配分が実現しない状態)
独占・寡占(一つまたは少数の企業が市場を支配する状態)
外部不経済(第三者に費用(害)を与えるが市場価格に反映されない問題。公害など)

深掘り (背景・意義)

アダム・スミスは「神の見えざる手」という比喩を使い、個人が自己利益を追求することで社会全体の利益が実現すると論じました。しかし現実の市場は完全競争が成立しにくく、独占・寡占による価格支配力が生じることがあります。日本では独占禁止法(1947年)が独占・カルテル・不公正な取引を規制し、公正取引委員会がその執行を担っています。また地球環境問題(CO2排出など)も外部不経済の代表例として注目され、炭素税や排出権取引などの政策対応が模索されています。市場経済は効率性に優れますが、格差の拡大や市場の失敗を補う政府の役割が不可欠です。

💡 ポイント
  • 価格上昇→供給増・需要減、価格下落→需要増・供給減
  • 均衡価格で市場が清算される(需要量=供給量)
  • アダム・スミス『国富論』(1776年):見えざる手・自由放任主義
  • 市場の失敗:独占・寡占、外部性(外部不経済・外部経済)、公共財、情報の非対称性
  • 独占禁止法(1947年)と公正取引委員会で競争を維持
  • 外部不経済の例:公害・騒音・CO2排出
  • 公共財の例:道路・公園・国防・灯台(非排除性・非競合性)

注意点 (混同しやすい)

需要曲線は右下がり、供給曲線は右上がりが基本形。② 独占(1社のみ)と寡占(少数企業が支配)を区別する。③ 外部不経済(公害など第三者に費用を転嫁)と外部経済(養蜂と果樹園のような正の外部性)は区別する。④ 市場の失敗は市場そのものの問題であり、不況・景気後退とは別概念。

練習

  1. 「均衡価格」とは何ですか。需要と供給の関係から説明してください。
  2. 「市場の失敗」とはどのような状態ですか。具体例を一つ挙げて説明してください。
  3. アダム・スミスの「見えざる手」の考え方を説明し、それが現実の市場で完全には機能しない理由を述べてください。

このレッスンのQ&A

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