国際協力と日本
日本は世界第3位の経済大国として、ODAや人道支援など様々な形で国際社会に貢献しています。SDGsや人間の安全保障という視点から、国際協力の意義と日本の役割を考えましょう。
基本知識
ODA(政府開発援助)は、先進国政府が発展途上国に対して行う資金・技術の援助です。贈与と借款(返済義務あり)に分けられ、日本は長年世界有数のODA供与国です。ODAは外務省が所管し、実施機関としてJICA(国際協力機構)が技術協力・無償資金協力・円借款を担います。
政府・国際機関とは別に、NGO(非政府組織)が草の根レベルで支援活動を行います。NGOは政府から独立した民間組織で、人道支援・開発・環境・人権などの分野で活動します。
1990年代から国連を中心に「国家の安全」だけでなく「個人の安全」を守る人間の安全保障の概念が広まりました。欠乏(貧困・飢餓)からの自由と恐怖(暴力・迫害)からの自由の両方を保障することを目指します。
2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに達成すべき17のゴール・169のターゲットを掲げ、「誰一人取り残さない」を理念とします。
ODA(政府開発援助)(先進国政府による途上国への資金・技術援助)
JICA(国際協力機構)(日本のODA実施機関。技術協力・円借款等を担当)
NGO(非政府組織)(政府から独立した民間の国際協力・支援組織)
人間の安全保障(国家安全保障から個人の安全・尊厳の保護へ焦点を転換した概念)
SDGs(持続可能な開発目標)(2015年採択。17目標・169ターゲット・2030年期限)
PKO協力法(自衛隊の国連平和維持活動への参加を定めた日本の法律。1992年成立)
深掘り (背景・意義)
日本のODAは1980年代に世界最大の供与国となった時期もありましたが、財政悪化を受けて削減が続きました。近年は「質の高いインフラ」や「人間の安全保障」を掲げた戦略的ODAが重視されています。また日本は唯一の戦争被爆国として核廃絶外交を推進し、平和構築支援・人道支援においても独自の役割を担っています。
SDGsは2000年代のMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として採択され、先進国も含めた普遍的目標である点が特徴です。17目標には「貧困の撲滅」「ジェンダー平等」「気候変動対策」など幅広い分野が含まれます。企業・自治体・個人もSDGsの推進主体として期待されており、「主体的な社会参画」と直結します。NGOとODAの連携(NGOと政府の協力)も重要であり、JICAはNGOとのパートナーシップ事業を設けています。
- ODAの実施機関はJICA。技術協力・無償資金協力・円借款の3本柱
- NGOは政府から独立した民間組織。草の根レベルで活動
- 人間の安全保障:「欠乏からの自由」と「恐怖からの自由」の両立
- SDGsは17目標・169ターゲット・2030年期限。先進国も対象
- SDGsの理念:「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」
- 日本は1992年のPKO協力法制定後、PKOに参加
- ODAには贈与(返済不要)と借款(返済義務あり)がある
注意点 (混同しやすい)
① ODAとNGOの違い:ODAは政府が主体の公的援助、NGOは非政府の民間組織による活動。② SDGs(2015年採択・2030年期限)とMDGs(2000年採択・2015年期限)を混同しない。③ 人間の安全保障は「軍事的な国家安全保障の否定」ではなく、「個人レベルへの安全保障概念の拡張」である。④ 円借款は「無償援助」ではなく、返済義務のある「有償資金協力」である。
練習
- ODAとNGOによる国際協力の違いと、それぞれの特徴を述べなさい。
- 「人間の安全保障」の概念が生まれた背景と、その内容を説明しなさい。
- SDGsの17目標のなかから2つ選び、それぞれの内容と日本における取り組み例を述べなさい。