英語は繰り返しを避ける言語で、前に出た語句と同じものは 省略 されることが多くあります。難関大では、この省略された部分を正確に補って読む力が要求されます。
基本ルール
頻出の省略パターン:
① 比較構文の省略: 「She earns more than he (earns).」「Tokyo is larger than Osaka (is large).」← 比較対象の重複部分が省略
② as/thanの後の省略: 「He is as tall as his father (is tall).」
③ if構文の省略 (if any / if ever など): 「There is little, if any, evidence for this claim.(もしあったとしても、ほとんど証拠はない)」← if there is any evidence の省略形
④ 従属節での主語+be動詞の省略: 「While (he was) working abroad, he learned three languages.」「Though (she was) tired, she finished the marathon.」← 主節と主語が一致する場合に多い
⑤ 不定詞の省略 (代不定詞): 「I don't want to go, but I have to (go).」← to の後ろの動詞が省略され to だけが残る
これらは「文法的に省略が許される条件(主節と主語が同じ、繰り返しが明らかなど)」を理解しておくと、初見の文でも省略に気づきやすくなります。
The new method is far more efficient than the traditional one (is efficient).(新しい方法は従来のものよりはるかに効率的だ)← 比較構文の省略
While living in France, she developed a deep interest in linguistics.(フランスに住んでいる間、彼女は言語学への深い興味を持つようになった)← While (she was) living
There is little, if any, reason to doubt his sincerity.(彼の誠実さを疑う理由はもしあったとしてもほとんどない)← if any の省略構文
I didn't plan to attend the meeting, but my supervisor asked me to.(会議に出席する予定はなかったが、上司に頼まれた)← asked me to (attend the meeting) の省略
間違えやすいところ
① 従属節での「主語+be動詞」の省略は、主節の主語と従属節の(省略された)主語が同一の場合にのみ起こる。異なる場合は省略できないので、この文法条件を必ず確認する。
② if any / if ever / if anything などの慣用的省略構文は、意味をセットで覚えておくのが実戦的。「if any(あるとしても)」「if ever(あったとしても稀に)」「if anything(どちらかと言えば)」。
③ 比較構文での省略は、省略された部分を復元すると比較対象が明確になる。「more than he」だけでは何を比較しているか分からない場合、動詞まで補って考える。
④ 代不定詞 (to だけを残す省略) は会話・カジュアルな文体だけでなく、評論文でも使われる。「to」の後に動詞が省略されていることに気づかないと、文が不完全に見えて混乱する。
- 比較構文・as/than の後は繰り返し部分が省略される
- 従属節の主語+be動詞は主節と主語が同一の時に省略可
- if any / if ever / if anything は慣用的省略構文
- 代不定詞(to だけ残る)は評論文でも使われる
- 省略の復元には「文法的に許される条件」の理解が必要
練習問題
- 次の文の省略されている部分を補いなさい:Though exhausted, she continued working until midnight.
- if any の意味を説明し、例文を1つ作りなさい。
- 次の文の省略部分を補いなさい:His new novel sold better than his previous one.