日本語は「〜の増加」「〜することの重要性」のような抽象名詞句を好みます。これを英語の節(clause)に開いたり、逆に英語らしい名詞構文に圧縮したりする往復技術を身につけます。
基本ルール
① 日本語の名詞句 → 英語の節に展開:
- 「〜の増加」→「the fact that 〜 has increased」または分詞構文で処理
- 「〜することの重要性」→「it is important for A to do」
- 「〜しなかったこと」→「the fact that A did not do」/「A's failure to do」
② 英語の節 → 名詞構文に圧縮(英語らしい書き方):
- 「彼が来なかったので、会議は遅れた」→「His failure to come delayed the meeting.」(節を名詞化して主語に)
- 「彼女がすぐに決断したので、チームは救われた」→「Her quick decision saved the team.」
③ 頻出の名詞化パターン:
- 動詞 → 名詞:increase→an increase in, decide→a decision, fail→a failure to
- 形容詞 → 名詞:important→the importance of, difficult→the difficulty of
日本語:環境問題への関心の高まりは、政策の変化をもたらした。
英語:Growing concern about environmental issues has led to changes in policy.
日本語:教師が生徒の個性を尊重することは重要だ。
英語:It is important for teachers to respect their students' individuality.
日本語:彼が来なかったことが、会議の遅れの原因だった。
英語:His failure to come delayed the meeting.
間違えやすいところ
① 名詞構文への圧縮は主語を無生物主語にする技術(レッスン2)と直結する。「A's failure to do」「A's decision to do」の形で覚えておくと即座に使える。
② the fact that は便利だが多用すると冗長になる。1文中に1回まで。可能なら動名詞や不定詞に置き換えられないか検討する。
③ 「〜性」「〜的な」のような抽象度の高い日本語(重要性・必然性・可能性)は、importance / necessity / possibility にそのまま対応するが、of以下の名詞句を正確に組み立てる必要がある。「学ぶことの必要性」→「the necessity of learning」(learning は動名詞)。
④ 抽象名詞を主語にしすぎると論文調で硬くなる。和文英訳では原文の構造に忠実に、かつ1文2文詞構文を混ぜる程度が自然。
- 日本語の名詞句は the fact that / it is ~ for A to / A's -ing に展開できる
- 逆に節を名詞化して主語に据えると英語らしい文になる(A's failure to do delayed...)
- 動詞→名詞、形容詞→名詞の変換パターンを持っておく
- the fact that の多用は避け、動名詞・不定詞で代替できないか検討する
練習問題
- 名詞構文を使って英訳しなさい:「彼女がすぐに謝ったので、問題は大きくならなかった」(quick apology を使う)。
- 「〜することの難しさ」を name詞構文で表す英語を考え、次を英訳しなさい:「初めての言語を学ぶことの難しさは、誰もが経験する」。
- 「生徒たちが積極的に質問することは、授業の質を高める」を英訳しなさい(it is ~ for A to の構文を使う)。